応援コメント

魔食者アジュリットのレシピ(1)」への応援コメント

  • 『魔食者アジュリットのレシピ』、(1)を読ませていただきました。

    丹念でありながら読みやすい文章に一気に引き込まれて、読んでいて脳裏に情景が浮かんでくるようでした。

    特に印象的だったのは、アジュリットさんの言葉です。
    単に魔食者の設定を書くだけでなく、「コカトリスが食べたいなぁ……」とつぶやかせることで、魔食者という存在の特異性がより際立って感じられました。

    魔獣やモンスターと呼ばれる存在は様々ですが、コカトリスという選択肢がほんとうに絶妙だと思いました。
    知名度があり、強力な魔物であり、なおかつ「鳥」の属性があるので、読んでいて、「魔食者という特殊な存在の血を引くアジュリットさんならば食べられそうだ……」と思えるライン。

    ファンタジーな要素と、読み手の現実感のバランスを取るのが非常に上手いというか……
    第一話という読み始めのパートだからこそ、小説という媒体だからこそ、『魔獣を食べる』ということをイメージしやすい範囲を把握してらっしゃる感じで……
    例えばこれがゴーレムだったり、ガス生命体だったりしたら、『食べる』ことをイメージしにくかったと思うのです。


    また、アジュリットさんが宿屋の前で足を止めた場面も好きです。

    アジュリットさんは魔食者の血を引いているために気味悪がられてしまうし、資金がないから宿屋に入ることができなくて、
    入れないからこそ、窓から溢れてくる光や、聞こえてくる笑い声が、中に入ることのできないアジュリットさんの感じている孤独感を増すのですよね。

    壁一枚、ドア一枚を隔てることで、主人公の置かれている立場をよりはっきりと理解することができる……もなか様の文章力、演出力に感動しました。


    厳しい状況に置かれている主人公だからこそ、今回の話の最後に出会ったふたりが、食事や会話を通じて、今後どういう関係を築いていくのか……とても気になります。


    ほんとうにすばらしい1話をありがとうございました。
    次回を読むときを楽しみにさせていただきます。

    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    文章の読みやすさはいつも気にしているところなので、読みやすい文章になっているのなら本当に嬉しいです。
    アジュリットが宿屋の前で足を止めるところも、普通の人々とアジュリットの立場の違いを印象付けたかったところなので、そのシーンが印象に残っているという感想もすごく嬉しいです。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    ありがとうございました。