命日
御角
命日
彼がこの世を去って三年、世間は忘れても、私は未だに彼のことを忘れられずにいる。
彼の笑った横顔も、手を繋ぐときの恥ずかしそうな素振りも、大きな背中も、少し明るめの髪も、私の親友と並んで帰る様子も、二人が暮らしていた町外れにある静かな家も、廊下まで滴る血も、変わり果てた親友にキスをする姿も、真っ赤に濡れた包丁も、こちらを見つめる濁った瞳も、天井からぶら下がる男物のベルトも。
多分私は、一生彼を許せない。
命日 御角 @3kad0
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