第三章


                  |やった。やったわ。

                  |あの人と初めて話せた。

                  |名前とかも聞けたし、

                  |やっぱり優しくて、いい人だった。

                  |涼太くん、って言ってたかな。

                  |かっこいいし、素敵な名前。

                  |ますます好きになっちゃう。

                  |勇気出して話しかけてみてよかった〜

                  |お昼一緒に食べる約束もしちゃった。

                  |涼太君も嫌そうじゃなかったし、

                  |これはイイ感じって言っていいよね。

                   |上手く行きすぎてて、怖いくらい。

                   |こんなこと考えてたら、いつの間に、

                   |もう家の前まで来てたのね。

                   |いつもはヘトヘトな仕事帰りも

                   |涼太君の手にかかれば、

                   |幸せでいっぱいになるってことかな?

                   |あれ、手紙だ。

                   |弘樹、って誰だろう?

                   |まあいっか。

                   |明日は涼太君と何話そうかな。

                   |そういえば、

                   |涼太君って何が好きなんだろう。

                   |意外とロックとか好きだったりして。

あの子どんな反応してくれるかな。   |

喜んでくれるかな、驚かれちゃうかな。|

昨日の夜、手紙を書いて、こっそり  |

ポストに手紙を入れてきたんだ。   |

後は、あの子が手紙を読んで、    |

僕が家にいるって気づいてくれるだけ。 |

ちょっと強引すぎるかもしれないけど、|

これしか思いつく方法がなかったし、 |

第一、あの子のことが好きだから、ね。|

そういえば、            |

昨日あの子が電話で話してる時に、  |

名前、言ってたんだ。        |

確か、陽菜だった気がする。     |

うん。あの子にピッタリの可愛い名前。|

流石に名前くらいは知っとかないとね。|

あ、あの足音は、陽菜ちゃんだ。   |

楽しみだなぁ。喜んでくれるといいなぁ|

    |(ガチャ)

              おかえり |






   

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

2つの片想い @academy_award

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ