第6話 なんでこんな中途半端な……って、思いませんか
今回も、眉唾モノです。
このエッセイもどきは、本当に個人的な意見、感想です。
『カクヨムサポーターズパスポート』の仕様を見て、「なんで、こんな中途半端なシステムなんだよ!」って、思いませんでしたか。
私も実は、そう思いました。
でも、トリさんが色々な制約の中でバランスを取った結果なのかな? というのが、率直な感想です。
今回は、そのあたりを考えていきたいなと思います。
例えば、とあるFANBOXさんのように、自由に金額設定できるプランが欲しいとか、読者から任意の金額を送れるようにしてほしいとか、ギフト1個で最終的に何円受け取れるのか、はっきり教えて欲しいとか……
そんな不満はあるかも知れませんけど……
これができない理由は、
ギフトは、「気持ち」を伝えるトリさん郵便であって、作者の売り上げではないからです。なんの見返りもなく、読者からギフトが贈られるルールだからと、思います。
もしも、ギフトを任意の金額に設定可能で、しかもトリさんの手数料が何円、作者の届く金額が何円って、計算できるそんな送金システムを作ったとしたら…… 銀行法に抵触すると思うのです。
法務省法令データベースから、銀行法(昭和二年法律第二十一号)を引用します。
『 第二条 この法律において「銀行」とは、第四条第一項の内閣総理大臣の免許を受けて銀行業を営む者をいう。
2 この法律において「銀行業」とは、次に掲げる行為のいずれかを行う営業をいう。
一 預金又は定期積金の受入れと資金の貸付け又は手形の割引とを併せ行うこと。
二 為替取引を行うこと。』
銀行はとても重要な社会インフラです。
なので、誰でも営業できるのではなくって、許可業なのです。
具体的に引っ掛かるのが、第二条第2項第二号の『為替取引を行うこと。』です。
現金の輸送を伴わない方法で、離れた場所にいる個人や企業の間で、お支払いを決済することを、「為替」というそうです。テレビでよく見るのは、通貨の交換を伴う外国為替ですが、郵便為替みたいに円で取引する内国為替も昔からありました。
つまり、ギフトがこの規定に引っ掛からないようにするには、トリさんの売上金の一部を作者ユーザーに支払うという規定にするしか、方法がなかったと思われます。
だから、単価150円の電子便箋の売上金から、作者ユーザーにどれだけ分配されるのかは、当該期間の売り上げ計算を締めてから初めて分かります。
繰り返しですが、読者が課金したお金は、すべてトリさんの売上金なのです。
つまり広告の売上金が原資の、収益化第1弾と同じシステムになっていると考えられます。
……きっと、そういう事情だと思います。たぶん。
それから、単価150円というのも、カクヨムさんには大勢の高校生ユーザーがいるそうです。ラノベの主要な読者層は、高校生から社会人1年生あたりと思いますから、かれらのお小遣い経済圏に配慮した価格設定なのだと思います。
『カクヨムサポーターズパスポート』について、考えてみました。 天菜真祭 @maturi
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