セイバー男子と図書館の悪魔《ラプラス》
あさひ
第1話 始まりの聖剣《シナイソード》
【天は我が身に試練を! エクスッ! カリバーッ!】
そこにはありきたりな深夜アニメがやっていた。
「うぉぉっ! すげえぇっ!」
声を押し殺しながら目を煌めかせる
小学生のような高校生が食い気味にテレビを見入る。
アニメが終わると横の机に置いてあるパソコンで
エクスカリバーについて調べ始めるが
イギリスの伝説と知ってしまった。
「留学するしかないのか……」
シュンと沈む少年は目にふと映る
剣道の宣伝動画を見つける。
早くもあり繊細で力強いその剣捌きを目の当たりにし
再び瞳が燃え上がった。
「これは鎧? 道場だから日本か?」
詳しく調べ始めた少年は
自身の学校が剣道の先進校だと知る。
【
「神崎? りゅっくんが?」
知り合いが世界最強でありながら
それをまったく言ってこなかったことに少し残念に思った。
「ずりぃっ! 俺も教えてもらわないとっ!」
そうこうと考えながら調べていると
朝まで起きてしまう。
疲れがないのか単なる脳筋なのか
登校の時間が来るなり
朝ごはんを流し込み勢いのまま学校に向かった。
生活指導の先生がちょうど剣道の顧問をやっていたのを
頭に詰め込み【伝説の
【
「おう! 空羽っ……!」
勢いに思わず持っている竹刀で横に一閃した
空羽と呼ばれた少年は後ろに吹っ飛び
壁へ衝突する音を響かせた。
「おぉっ! すげぇっ!」
「すっすまんっ! あまりになんかあれでな……」
心配そうに近寄ってくる黒髪の先生に
オリジナルに書いた
ミミズ字入部届けを土下座しながら差し出す。
「おっおうっ! お前は武士だったか?」
引き気味にスカウトしたかった生徒に
笑顔で向き合った。
「うれしいんだがな? あの俺も女性なんだけどな……」
不思議そうにキョトンと頭を傾げる生徒に
笑いと複雑なものを葛藤に手を引き起こす。
「先生が伝説の鬼で顧問の先生だったんすね!」
「鬼はやめなさいな…… 弟よ」
この顧問は苗字こそ違うものの複雑な理由の姉で
つまり異母兄弟だ。
「お前がアキさんからとてつもない勢いで
学校に向かったと聞いたがな?」
何が悪いという表情で
姉にもう一度しっかり伝える。
「剣道がしたいですっ!」
「漫画のモノマネをやめなさいっ!」
ふざけているのかまっすぐ過ぎるのか
コントを堂々と朝から繰り広げた。
そこにマネージャーのミリという銀髪美少女が
手招きをする。
口の動きに二人とも戦慄する
それは【それ以上すると校長先生が来ますよ】だった。
セイバー男子と図書館の悪魔《ラプラス》 あさひ @osakabehime
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