おこぼれ
荒川馳夫
おいしいものがたんまりと!
オレは腹を空かせていた。何か食べるものはないかと必死に探し回っていた。
モシャモシャ、ポロポロ……。ん、何の音だろう?
オレの頭上で大動物が食べ物をほおばっていた。しかし、すべてを口に入れているわけではなく、食べ物のかけらを落としているようだ。
オレは急いで、そのかけらにありついた。おいしい!おいしいぞ!
ごちそうだ。こんなにおいしいものを食べているなんて、うらやましい。
しかし、アイツらはこんなにおいしいものを床に落としても気にしないのか。
もったいことをしているなあ。
ん、大動物が何か言っているぞ。
「ちょっと、食べ方が汚いよ。なおしなさい」
「いいじゃん、食べ物は腐るほどあるんだから」
お、ほかにも食べ物があるのか。これで飢えずに済みそうだ。
オレは小さな羽をブルブル動かし、大動物の近くに住みつくことにした。
オレは思った。いやあ、今はいい時代になったもんだと。
おこぼれ 荒川馳夫 @arakawa_haseo111
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます