硬質な文章で描き出される壮大なダークファンタジー(企画から来ました)

紹介文でも書かれている通り、海外ファンタジーのような世界観を硬質な文章で描かれています。

昨今のライトノベルの軽い文体に慣れている人には少し読みにくいと感じることもあるかもしれません。

しかし、ほんの少しの事にも理由やオリジナルの名前がある。種族での魔法の違いや役職など、あまりにも細かいところまで描写されている。こんなに完成度の高い世界観を持つ小説もないのではないかと思います。

私も小説を書いていますが、ここまで緻密な世界観は作れないと思います。私の技量不足もあるとは思いますが、緻密にすればするほどに一つの矛盾が致命的になると物語が崩壊してしまうからです。

その結果として途中で技や魔法を一新したりよくわからない奇跡で解決させたりと強引な手段に出る作品が多いのですが。

総じて、緻密な設定が光る良い作品だと思います。イメージとしては「オーバーロード」が近いでしょうか。物語の方向性は違いますが、イメージは似たようなものを感じました。

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