少女達は神の御前に赴く 純粋な心だけを持って

神と少女達の交流を描いた「みなものみたま」第二作目です。

水の神みなもと通じる女子高生実菜穂と火の神と通じる友人陽向の前に、風変わりな上級生真奈美が現われるところから物語が始まります。真奈美の妹琴美は命の危機にさらされていました。三人は、琴美を救う旅に出ます。そこに待ち受けていたのは、壮絶なる試練でした。

神々の世界と人間の関わりが、美しい言葉で綴られています。人にとって神は大いなる力であり、遠い存在。しかしみなもはかわいらしく、親しみを持って人と接します。そして、他の神々にもまた、それぞれの想いがあり葛藤がある。実菜穂達はその神に真っ直ぐに、純粋な心で対峙していくのです。その姿は神々しさを感じるほどです。

壮大な物語を包むのは、ふわりとした温かさ。どんなに緊迫したシーンでも、またその温かなぬくもりに帰ることができる、そう信じることが出来ます。

日本の神々と人の心の美しさに触れることが出来る物語。是非読んでみてください。

その他のおすすめレビュー

堀井菖蒲さんの他のおすすめレビュー379