神と少女達の交流を描いた「みなものみたま」第二作目です。
水の神みなもと通じる女子高生実菜穂と火の神と通じる友人陽向の前に、風変わりな上級生真奈美が現われるところから物語が始まります。真奈美の妹琴美は命の危機にさらされていました。三人は、琴美を救う旅に出ます。そこに待ち受けていたのは、壮絶なる試練でした。
神々の世界と人間の関わりが、美しい言葉で綴られています。人にとって神は大いなる力であり、遠い存在。しかしみなもはかわいらしく、親しみを持って人と接します。そして、他の神々にもまた、それぞれの想いがあり葛藤がある。実菜穂達はその神に真っ直ぐに、純粋な心で対峙していくのです。その姿は神々しさを感じるほどです。
壮大な物語を包むのは、ふわりとした温かさ。どんなに緊迫したシーンでも、またその温かなぬくもりに帰ることができる、そう信じることが出来ます。
日本の神々と人の心の美しさに触れることが出来る物語。是非読んでみてください。
みなものみたまの続編。
実菜穂と陽向、みなもたち神との交流は続き、新たなお話が紡がれます。
実菜穂、陽向に加え、真奈美という少女が今回は加わっている。しかし、この真奈美という少女の様子がどこかおかしい。
真奈美は陽向には妹のように甘え、実菜穂には姉のように振る舞うという二重人格で接し、しだいに二人の間へと入っていく。
その謎が紐解けていく時、小さき闇が大きな闇へと繋がっていく。
今作も様々な神の名が連なり、和風ファンタジーが好きな方にはぜひ読んでいただきたい作品。
続編なので、1作目から読んで関係性を知ってからこちらの2作目を読むのが理想ですが、逆に2作目から読んで、1作目に浸るのも悪くないかもしれませんね。
少女たちが神様の力を借りながら、どのように解決していくのか。
続きが気になる作品です。
冒頭、『闇』から始まる物語。そこで少女は何かを喪い、そしてそれを取り戻したい別の少女。
神様の世界の理に触れてしまった彼女達に、神様と触れ合える素質を持つ主人公が友神たる水の神様の援けを受けながら、答えを探して巡るお話しです。
日本神話をベースとした本作は、人と神との触れ合いを通して作られる、静やかで綺麗な世界観が特徴と思いました。
前作『みなものたま1』では、主人公実菜穂と主神格みなもの関係を主軸に据えていましたが、本作ではより多くの神々との触れ合いがあり、読み進めると奥行きのある神話の世界が感じられます。
冒頭のキーワードに『闇』とあり、またタグには『バトル』とありますが、決しておどろおどろしいものではなく、前作と同様清涼かつ透んだ雰囲気を持つ本作は、読みやすい文体と合わせてとても優しい作品です。
日本神話の世界に浸ってみたいと思われましたら、こちらの世界に訪ってみてはいかがでしょうか?
ご縁がありましたら。