主人公の少年、蒼仁の通う学校に正体不明の集団が襲いかかる。
その危機を救ったのは、かつて蒼仁が助けた狼犬が変化した美しい少女だった。
少女の名前はシェディス。
蒼仁は彼女とともに旅に出ることになるのですが……。
まず始めに感じたのは、思わず息を呑むほど綺麗な情景描写でした。
壮大な世界観なのが一目で伝わり、読者も蒼仁達と同じものを見ているような錯覚に陥ります。
そして何より、個性豊かなキャラクター達も大きな魅力の一つです。
ついつい笑ってしまったり、微笑ましい気持ちになったり……。和気あいあいな雰囲気が読んでいてとても楽しいです。
だけどバトルシーンは格好良く、友情や家族愛を感じるシーンも多くて、そのギャップも心地良いのです。
シリアスとコミカルのバランスが素晴らしい、素敵な作品です。
——始まりはカナダ極北で起こった天変地異。
その地で起こった現象で太陽が消えた。人はそれを「闇のオーロラ」と呼んだ。混沌な世界に地球が滅亡の危機に……。それは浸食を繰り返し、闇の霊獣を連れて恐怖を運んでくる。
一体誰がこの窮地を救うのか?前作の『コード・オリヅル』のメンバーが陰ながら参戦……。オリヅルフアンなら堪らない一作。
主人公、蒼仁をサポートする面々のやり取りが、なんとも面白い。オリヅルのお馴染みの強烈キャラも各自健在です。
キモとなる『天空』『光架』『双焔』『刃風』の加護を持った四体の霊狼達。どの様な形で、この四体の霊獣に出会うのか?物語が進む上で徐々に明らかになっていくのですが、一連の流れで垣間見えるヒューマンドラマも見逃せません。
何が悪の根源なのか?どうして闇のオーロラが現れたのか?それらは何を意図しているのか?果たして闇のオーロラを消し去る事は出来るのか?謎が多く、彼等が導かれるのは北の大地。闇のオーロラから煌界へと続く回廊の先は……?
極北の地であるカナダ。移動に使う犬ぞりの描写もワクワク感が躍動するようです。同乗する🐹の存在感も結構和ませてくれます。
シリアス有り、コメディー有り、バトル有り。飯テロも当然、ありのありありです。
壮大なアドベンチャーファンタジーの世界が日本から極北へと今、幕を開く!
極北で発生した「闇のオーロラ」が地球を蝕み始めた。
それを食い止めるべく立ち上がったのは、異能を授けられし少年少女達と高潔な狼達と一匹のハムスターと言う、凸凹チーム。
でも、彼らにはそれぞれに抱える過去があり、救いたい思いを胸に極寒の地へと赴きます。
強大な自然の脅威は、今現在私たちが直面している危機でもあります。
圧倒的な力と理屈では収まらない不思議な現象。
それらの描写が本当に美しく、神々しく、時に荒々しく無慈悲で。
切なくなるほどの畏怖を感じながらも、彼らは全力で助け合いながら立ち向かっていきます。その姿に、何度も胸が熱くなりました。
そんなシリアスな部分と同じくらい、コミカルなシーンも一杯です。
特にハムスター姿の異能者イルハムさんにご注目。あんなことやこんなことをやらかして、みんなを和ませてくれますよ。
作者様が綿密に調べ上げた情報と向き合いながら書き上げられたこちらの作品、物語に込めた深いメッセージを感じながら味わってみてください。
お勧めです!
極光の異常「闇のオーロラ」に端を発する原因不明の気候危機、太陽光消失(サンライズ・ロスト)の瞬間に巻き込まれた少年、蒼仁(アオト)の運命を描くスペクタクル・ファンタジーです。
数多の国際機関、研究機関が総力をあげても、極北の気候危機は正体をつかめません。そんな中、気候危機の発生で父親を亡くした蒼仁は、運命の地である極北を再び訪れるため、研究者の道を志します。
正しい方向を見て、進むためにできることを、できる限り積み重ねる。少年が始めた戦いに、運命の方が引き寄せられて、物語が展開します。
突如として日本の学校に現れる異界の脅威から、蒼仁を救ったのは、白い髪の少女シェディスと、蒼仁自身に目覚めた不思議な召喚の能力でした。
少年と少女の運命の戦いが、今、始まる……なんて、王道少年漫画のアオリ文みたいな雰囲気を、重要キャラっぽいしゃべるハムスターが散らかしたりもします。
個人的には、頭脳明晰で預言者なツンデレ美少女パーシャちゃんが、空気を読みながら微妙な矢印を蒼仁に向けてくれたりすると萌えます。ロリコン疑惑の保護者が、空気を読まずにカラんできてもまた萌えます。閑話休題。
雄大な自然の描写と、全地球規模のカタストロフ、ひたむきなキャラクターたちと華麗な戦闘シーン、そして落差が可笑しいコメディパートと、作者さま持ち前の魅力が如何なく発揮されている本作、みなさまも是非、開幕に立ち会い、冒険を共に致しましょう!