向こう側でまた会おう!

通常、人の死は全ての終わりでありその先に物語など存在し得ないはずですが。
これは死すらも「一時の別れ」と捉え、幾度の転生を経ようとも再び巡り合う「固い絆に結ばれた四つの魂」の物語なのです。
(最もド直球に表現するのなら女神転生+FFといった所でしょうか。後半にはバトル要素もあります)

魂の庭と呼ばれる冥界と、現実世界における前世の出来事をリンクさせ少しずつ謎を解き明かしていく手法と、リアリティを保ちながらも美しく幻想的な描写が見所となります。

主人公はなぜ記憶を失ったのか?
彼女や仲間たちの前世になにがあったのか?
そして冥界や転生システムの根底すらも揺るがす大いなる存在とは?

輪廻転生をテーマとしている作品の多くは読み手を選ぶものですが、この作品は作者さまの文章力と構成力が遺憾なく発揮されており、比較的とっつきやすくスラスラと読める内容でした。テンポの良さと、底抜けに明るく前向きなキャラクター達の成せるワザなのではないかと考えられます。

そういった作風が好きであれば、是非。