通常、人の死は全ての終わりでありその先に物語など存在し得ないはずですが。
これは死すらも「一時の別れ」と捉え、幾度の転生を経ようとも再び巡り合う「固い絆に結ばれた四つの魂」の物語なのです。
(最もド直球に表現するのなら女神転生+FFといった所でしょうか。後半にはバトル要素もあります)
魂の庭と呼ばれる冥界と、現実世界における前世の出来事をリンクさせ少しずつ謎を解き明かしていく手法と、リアリティを保ちながらも美しく幻想的な描写が見所となります。
主人公はなぜ記憶を失ったのか?
彼女や仲間たちの前世になにがあったのか?
そして冥界や転生システムの根底すらも揺るがす大いなる存在とは?
輪廻転生をテーマとしている作品の多くは読み手を選ぶものですが、この作品は作者さまの文章力と構成力が遺憾なく発揮されており、比較的とっつきやすくスラスラと読める内容でした。テンポの良さと、底抜けに明るく前向きなキャラクター達の成せるワザなのではないかと考えられます。
そういった作風が好きであれば、是非。
イメージの奔流というのでしょうか。こちらの作品、読んでいると、頭につぎつぎイメージが飛び込んでくるようで、また、作品世界に引きずり込まれるような感覚に陥ります。
幻想文学やSF、サスペンスなどを混ぜ合わせたような作風です。
哲学的なやりとり。思わず身震いするようなセリフ、描写、表現。本当に先が気になる、SF的モチーフや展開の数々。
また、メインとなるふたりの主人公はもちろん、登場するキャラクターはどれも印象的で、キャラクター全員が、リアルな生気を帯びているように感じられました。ちなみに……私の推しは、双子ちゃんたちです。
まだ連載中の作品なのですが……、本当に、結末の予想が付きません。そればかりか、次の場面転回さえも。
静かな語りに、思わずドキッとするようなストーリー、交わされる会話の楽しさ、などなど、魅力あふれる作品ですので、ぜひ一度読んでみてくださいませ。