想いは諦めすらも凌駕する

本作品を「流行りのBL作品」と一括りにしてしまう編集者は多いと思う。しかし、命のやり取りの刹那に諦めず生きようとする心に男だからとか女だからなんて不毛な判断基準が必要だろうか?ミリタリーという世界観の中、強く美しい者に心惹かれ純粋に生きようとする愚直な思いこそが人間の原動力であり、逆もまた然りであると感じました。強く美しい者が完全無欠ではなく、その心の奥底にサリーもまた誇らしい命への執着を感じている。人間が持つ強さや弱さがバトルシーンとして壮大に描かれており『大切な人の為に生きよう』とする、現代社会に於いて一番重要なメッセージを私は感じました。相手を思いやる一途な気持ちが何度も迫りくる死を凌駕する、即ち諦めることを許さない。本作のように「生きることを諦めるな」という強いメッセージ性を持った作品がこれからも生まれてくれることを切に願います。大変素晴らしい作品をありがとうございました!

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