出会ったあの日の私たちは陸に憧れているマーメイドだね

主人公のオールインワンを「持って帰る?」と聞く彼。
オールインワンなところが、また深みがある。
彼のオールインワンになれなかったのだ。

「私、こいつのセフレだったよ」と言えないのは、言っても虚しいだけだから。
彼の隣に立つ彼女の場所に立ちたかった。
側にいたのに、自分にはできなかった。
彼が好きになったのは自分じゃなかった。

だからせめて、彼と彼女を呪うしかない。
呪わないと、自分が惨めで仕方ないのだ。

そうなる前にはやく手を切れとKは促していたのに。
Kは友人思いのいい子だと思う。
なので、彼女に慰めてもらい、彼らを見返すくらいの素敵な恋をしよう。