第86話 番外編 『ようこそ Light Houseへ』改稿の裏話


 今回は83話で紹介した『ようこそ Light Houseへ』の改稿について語る。本編のネタバレを含むことをご了承いただきたい。


ようこそ Light Houseへ

https://kakuyomu.jp/works/16817330660313761401


 本作はもともとカクヨムSF研様の自主企画『カクヨムSF研3』用に書き上げた作品だが、年末の『カクヨムコン9』に応募することを考え、1万文字以内に納めることを意識して書き上げた。

 しかし1万文字を意識しすぎたためか8500字ほどで完成してしまった。感想で描写不足等を指摘されたこともあり、作品の完成度をさらに高めようと梶野カメムシ様の自主企画「じっくり読みこんだ本音感想を書く企画2023」に参加し、感想及びアドバイスをいただいた。

 指摘された点で私がもっともだと思ったのが、フォンがルチアに月の光に照らされた砂漠を見せるシーン等の描写不足及び、ルチアのフォンへのアプローチが強引すぎるという点だった。

 確かに1万文字で終わらせるために、恋愛には奥手なフォンの分までルチアには積極的に迫らせた。ラストシーンでもルチアからフォンにキスするなど、始終リードをとらせた。フォンもルチアにプレゼントを用意する等、好意を持っていることは文中で示していたが、恋人と別れたばかりのルチアがとる行動としては無理があるのではないかと思いながら書いていた。それを他の読者からも指摘されたことから、改稿すべきだと決断した。

 改稿に伴い、ルチアからのアプローチを減らし、風景描写を追加した。さらにフォンがルチアに見られないようプレゼントを隠す、フォンとルチアが動かなくなったバギーの代わりに見つけたエアバイクに乗り換えて帰るシーンを追加した。ラストシーンもフォンからルチアへアプローチをし、2人が幼なじみから恋人へとステップアップするまでにとどめた。

 改稿過程で1万文字をオーバーしてしまったので、文章を一部削ってなんとか納めた。

 梶野様には改稿版にも目を通していただき、アドバイスをいただいた部分をさらに手直しした。幸い改稿版を読まれた他の方にも好意的な評価をいただきほっとしている。


 今回の改稿作業を通し、字数オーバーしても削って書くという方針で執筆した方がいい作品が出来ることを実感した。今後控えている『一蓮托生』改稿版へのアプローチにも大いに参考となる作業だった。


 梶野カメムシ様の感想はこちらから読めます。


カメムシの小説雑話【じっくり感想企画掲載中】

【06】ようこそ Light Houseへ(大田康湖) 読みながら感想

https://kakuyomu.jp/works/16817330654869504941/episodes/16817330661721004390


【06】ようこそ Light Houseへ(大田康湖) 総評

https://kakuyomu.jp/works/16817330654869504941/episodes/16817330661721067105


【06】ようこそ Light Houseへ(大田康湖) その後のやりとり

https://kakuyomu.jp/works/16817330654869504941/episodes/16817330661769621556


 次回はスケート場の話を予定している。

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