第87話 アイススケート、ボウリング、京都旅行の話

 スキー合宿に行った話は82話で触れた。スキーにははまらなかった私だが、アイススケートには縁があった。

 水戸駅近くの千波湖せんばこ畔に屋内アイススケート場があり、冬になるとSちゃんやHちゃんと一緒に滑っていたのだ。私はスケートがうまいわけではなく、手すりのそばでおっかなびっくり滑っているだけだったが、スケート場の冷たい空気が好きだった。

 千波湖畔のアイススケート場はとうになくなり、2023年現在、アイススケートをするには隣のひたちなか市まで行かなくてはいけないそうだ。


 SちゃんやHちゃんとはボウリング場にもよく行ったが、バスで行ける水戸市内のボウリング場から、Hちゃんの車で郊外のボウリング場に行く流れに変わった。私は例によってボウリングが苦手だったので、うまいHちゃんのプレイに拍手しながらボールを転がしていた。

 郊外のボウリング場はパチンコ店やゲームセンターと同じ敷地に建てられており、ボーリングの順番待ちの間にゲームセンターで遊ぶことも多かった。私はパズルゲームが好きで、「テトリス」「コラムス」「ぷよぷよ」「上海」などでよく時間を潰していた。


 パズルゲームと言えば、Hちゃんは当時ファミコンの「ドクターマリオ」にはまっており、私もHちゃんの家でよく遊ばせてもらった。

 Hちゃんの家の近くには茨城県名産の干し芋作りをしているお宅があり、秋になると台の上にむしろを敷き、その上に蒸した芋を切ったものを干している光景がよく見られた。我が家でも冬になると祖父母の家でもらった干し芋を、石油ストーブの上にアルミホイルを置いて焼いていたことを思い出す。


 Hちゃんは忍者好きだったが時代劇も好きで、特に『銭形平次』で有名な大川橋蔵のファンだった。

 私の短大卒業後の春休み、卒業旅行ということで私とHちゃん、Sちゃんで一泊二日の京都旅行に行った。二条城や太秦うずまさ映画村に行き、 Hちゃんはブロマイド屋で大川橋蔵のブロマイドを買って大喜びしていた。

 京都のホテルに泊まった翌日、地元の京都テレビでは、タイトルは忘れたが古い特撮作品の再放送をしていた。初めて見た私たちはもっと見たいと思ったが、衛星放送やソフト、配信等で新旧の作品が見られるようになるのはまだ先の話である。


 次回からしばらくは短大時代に見ていたテレビ番組の話をしたい。

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