9,记矢场☆de+!〆yoo拉麺
正直、不安はあった。レイ・シャーロットというへこみがちな女が店の掟を破って
他の店に行くなんて。しかも、絶対キレ症のおじさんの弟子にされると強制労働を
経験させられそうで、不安があった。
だが、実際あのおじさんの言う通りで、話し方が下手で配慮ができないという
こともあった。そこは直さないといけないところだ。そういうわけでまだ日も昇って
いない時間にキャンピングカーを飛び出したのだ。
で、困ったことは掟のことではない。掟は不安はあったが困ってはいなかった。
それより困ったのは――—店がどこにあるか分からないということだ!!
「あの、こんな人いませんでしたか?」
「知らないねぇ」
「あの、こんな人知ってます??」
「見たことないな」
「おしゃれで、首を抱えていて・・・・・」
「それより、絵上手いね」
てなわけで、張り込みに時間を1時間半費やした。もうあきらめて帰ろうかと
思った時に、遭遇したのだ。
「ん?前の小娘ではないか。我に何か用か?」
シャーロットの行動は実に勇気があって面白い。このカフェを創業した今亡き父、
シャルル・クロード・ルーチス。通称シャルクルは私と違い厳格なドラキュラで
店をトップにするために他の店に言ってはならないという掟を定めたのだ。
その掟が問題ということは分かっていた。だから、それを撤廃してしまおうと考えて
いた矢先、この脱走事件だ。
クワシーノ・ハナセルノを使って店の位置は分かった。早速バイトのクリスティーヌ
と共に店へ向かった。どうやら、ラーメン店らしい。私のカフェのような何でも扱う
レストラン風ではない店だ。そこでラーメンをすすって一息つくとしよう。
でも、ラーメンは私は食べたことがない。フランスの伯爵は東洋の者とはあまり
関わっていなかったからだ。
店に着いた。木彫りの古そうな店の正面に着いた看板にはこう書いてあった。
「ようこそ!!记矢场☆de+!〆ha拉麺へ」
「あれ、なんて書いてあるんでしょうね?」
「さあ。英語は読めるけど・・・・・中国語が分からん」
「そこは統一した方が絶対いいですよね」
ルイクルとクリスティーヌは談笑しながら店の構えをくぐった。
ズズズズズッッッ
シャーロットは生まれてきて20年8カ月で一番美味なラーメンを食べた。これでも
欧米の人間だから、すすらずに噛んで食べた。
「どうだ、上手いか??俺のラーメンは」
「美味しいです。すごく上手いです」
「接客の仕方もどうだ?みんな笑顔で、変なことはしゃべらない。しっかりとした
敬語だ」
「それくらいは私だってちゃんとしてますよ!!」
「うそつけ」
くっそぉ、いつか見返してやるんだから!!
「で、このラーメンの名前は??」
「『健康効果の大豆ラーメン』だ」
原料は全て環境変化に強い植物や肉を使ったものだ。食べ物のサイクルもしっかり
している。だが、移動したり作ったりという設備はうちの方が一枚上手だ。
原料とリサイクルも私たちが上回っている自信がある。うちの店の参考に持って
帰れそうなものはまだ見当たらない。
「あ、シャーロットみーっけ」
「あら、クリスティーヌじゃない。どうしてここに、ってマスター!!」
「ラーメンってこんな味なんだな、初めて知った」
「美味しいよね、シャーロット」
「なあ、シャーロット。別に他の店に行くのは良いけど一声かけてくれないか?」
「分かりました、すみません」
「いいんだいいんだ」
マスターの処分が意外と軽かったのでほっとした。
「ね、看板に『ようこそ!!何とかかんとかde+!〆ha何とか』って書いて
あったんだけどあれ、何て読むの??」
わたしも初めは分からなかったところだ。それを店長・・・・・つまり、首持ち
オシャレおじさんに聞いたことを話した。
「それで、なんて書いてあったんだ?」
「じゃあ、はっぴょー!店の名前は
「へぇ~。ひとまず、ここ名店だね!気に入った♪」
聞いたのはクリスティーヌなのに、聞く耳を持たなさすぎる。だが、あんな店長だし
少しうちのカフェとはうまくやってけるか不安だった。
HOT♡THE☆Dracula・Cafeのドタバタ日記 上 DITinoue(上楽竜文) @ditinoue555
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