第34話 エピローグ
ザックは、魔王戦で無茶な戦いをしたアルを戒めていた。
「アル様、今回は随分と無茶をしましたね。バフがかかった状態のラスターのサポートがなかったら、非常に危なかったですよ。もうちょっと、安全な作戦があった筈ですよね?」
アルは、肩で寛いでいたラスターを撫でた。
「ラスターが助けてくれると分かっていたから、博打に出たんだよ。じゃないと、あんなことしねぇよ。なぁ、ラスター?」
ラスターは、気持ち良さそうに体を僅かに振動させる。
“プルプル(はい~)プルプルプルプル(僕も濃厚な闇魔法をたくさん食べてパワーアップしてましたから、大分勝算のある賭けだと思います)”
アルは、ラスターをひょいと持ち上げるとザックの目の前に持っていく。
「ほらなッ!」
ザックが頭を掻きながら、ため息をつく。
「”ほらな”と言われましても、ラスターの言葉はアル様しか分かりませんから…。」
ザックのお小言を聞いていると、窓からヴァンが部屋に入ってきた。
『オッス~♪念のため調べたけど、やっぱり、あの幼女は魔王だったみたいだね♪魔族領の精霊達を縛っていた鎖もとれたし、アル、本当にありがとね♪あの糞魔王は、精霊を地下に閉じ込めてエネルギーを搾取してるという情報を掴んだから調査してたんだ♪本当は、魔王との戦いにも参加したかったんだけど、調査で忙しくて間に合わなくてごめんよ♪その様子だと、大分無茶したみたいだね♪外側からは分かりづらいけど、体の内側はボロボロだよ♪』
ヴァンは、アルに抱きつくと回復魔法を発動した。
「おうッ!でも、まだまだ魔族は残っているし、油断せずにこれまで以上にレベリングに励むぞッ!なぁッ!みんなぁぁぁッ!」
アルの”これまで以上にレベリングに励むぞ”発言に場の時が一瞬停止した。
…………
“プルプル(僕はどこまでもご一緒します)”
『やれやれ♪仕方ないな~♪』
《これ以上レベリングして、神とでも戦うつもりですか?》
《カッカッ!大将はブレねぇなッ!》
《それがアル様のチャームポイントだと思うザマスッ!》
「やれやれ、もう良い年なんですから、良い人を見つけて結婚してして少し落ち着いてもらえると助かるのですが…。ああ、レベリングは月に10日以上は認めませんからね。ほっておくと、エンドレスと一緒に際限なくレベリングするんですから。」
「フォフォフォッ!魔王を討伐したということで、アル様はこれから忙しくなりますぞぉぉぉッ!」
アルのレベリングはまだまだ続く。
じゃあ我慢するのをやめます!~いじめ・暗殺・婚約破棄をしてくる人達とはおさらば~ @test555
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