知らぬが仏
「……イザベラと懇意にしていた娘が殿下の
「上手くいってよかったではないですか。公爵、公女は何もご存知ないのですよね? 」
「ああ。知らないはずだ。あの場所に男が来なくなっておかしくなった、ことくらいだ」
「友人すらいなかった公女が惹かれてしまったのは仕方ないことですよ」
「それだけならいいが、何度も死体を見ている」
「冷静に死体を見で落ち着いていられるのは警察か監察医、探偵くらいなものです。公女の時は止まったまま繰り返されている。調べられる前に死体が出てくればそれ以上の捜査はないのですから大丈夫ですよ」
公爵は何か引っ掛ってはいたが、それ以上を想像出来ないでいた。
「それより、あの死体は流石にガタイがいい。調べられる前にいつものやつらに処分させますから、新しい死体候補を見繕わなければなりませんよ」
これからも続けて警察の感覚を麻痺させるために。
「次で六回目。慣れたもんです。さっさと終わらせ、カモフラージュしましょう」
「そうだな。レイアード伯の言う通りだ。早くまたアリバイ作りをしよう。死体の保管場所は運び込まれたところで間違いないな? 」
「ええ、手の者が仕舞った場所を伝えにきました。確認のために刑事が二人の部下を連れて訪れた程度。五回目でしたからいつもより早く出てきたと言っていたので同じか形式としてでしょう。問題ないですよ」
「うむ、順調に麻痺しているようだ。さっさと片付けよう」
執事に客人を任せ、伯爵と共に邸宅を後にした。
レディイザベラ 姫宮未調 @idumi34
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