推し事に没頭する人々の心の物語
- ★★ Very Good!!
つきのひかりさん、とても楽しく作品を読ませていただきました。ありがとうございます!感想として、良かった点を2つ、気になった点を2つ、お伝えしたいと思います。
まず最初の良かった点ですが、
これは、ネットの世界に住んでいる人たちの心模様がよく描かれている点だと思います。「自己満足の推し事」といった客観的な視点で描かれていましたので、私のようにそういった経験が少ない人間にも、推す側、推される側の心理がよくわかりました。
2つ目の良かった点は、「運命が変わった日」あたりからの、しーやクロの過去のエピソードがとてもわかりやすく、また、感情移入しやすかった点です。とくにクロの姉への想いはとても伝わってきました。
気になった点としては、場面の把握が少し難しかったです。というのも、携帯やネット上のやりとり、という非常に限られた場面に関する情報のなかで、頻繁に登場人物の視点がかわっていましたので、あれ、これは誰の視点で描かれているのだろう?と、物語の状況を把握するのが少し難しかったです。
また、これは疑問ですが、主人公?の18歳の少女の執着はクロに向けられていて、しーに対しては、所詮クロのビジネスパートナーというように、突き放した表現があるのに、結婚するなら"しーかクロ"といったように、しーが結婚相手の候補にあがってきている点が不思議でした。
と以上になりますが、全般的に非常に素晴らしい作品で、とても楽しく、また、こういった世界があるのだと興味深く読ませていただきました。つきのひかりさんの引き続きの創作活動を応援しています!