第4話 起きて早々…

「ん…んぁぁぁぁ…」


朝早くに目が覚めてしまった…横を見ると気持ちよさそうに寝ている…もう少し寝顔を見ていたかったが今日も朝からいろんな所へ行く予定があるので起こすことにする。


「南雲さん…起きてください…」


「んぁぁ…?」


「おはようございます…南雲さん。」


「おは…よぉぉぁぁぁ!」


いきなり目を覚ましたかと思うと私の浴衣を綺麗に治した…え?どゆこと!?


「佳奈美さん…朝からそれはダメだから…」


「なにかあった?」


「その…た、谷間が見えてたから…」


「あ…」


そういえば全く気づいてなかった!それに昨日のこともあってムンムンとした状態で寝てただろうし…


「それに今思い出しましたけど帰ったらいっぱいしてくれるって言ってましたよね?」


「お、思い出さなくていいことを…」


確か昨日海の後シャワー室でそんなこと言ってたわね!?それ今言うの!?


「い、家に帰ってからで…」


「言質とったからね!絶対だよ!?」


「逆になんでそんな必死なのよ…」


「そりゃ佳奈美さんが可愛いからに決まってるでしょ?」


はぁ…全くこの人だけは…私が喜ぶ言葉をよく知っていらっしゃる…


「ん…じゃあ今日は早く帰りましょうか。明日からまた仕事でしょ?」


「うっ…痛いところをつくなぁ…」


ーー

ホテルを出てお土産を買いに向かった。


「あ、見て見て!テレビの取材してる!」


「ホントだね。」


遠目でわからなかったがよくみるとカメラが回っている…有名人が何人かで旅をするロケをやっていたのだろう。


「行きましょうよ!」


「ダメ」


「えぇ!?なんで!?」


だって、もしテレビに出たら佳奈美の可愛さが全国に知れ渡り、変な男になにかされないか心配になってしまうからだ!そんなことは無いと言うかもしれないが男としては心配なのである。


「行くよ!」


「はいはい。」


少し不服そうだったが手を握ると少し笑ってくれた。やっぱりうちの嫁は1番可愛い。


「まんじゅう美味しそー!」


「おっ!べっぴんさんだねぇ?新婚旅行かい?」


「やだもう、べっぴんさんだなんて…もう四十超えたおばさんよ?」


「えぇ!?全く見えねぇや!旦那さんいい嫁さんつかまえたねぇ!」


「えぇ、もう人生バラ色ですよ。」


俺はここぞとばかりに嫁を褒めたたえた!やはり分かってくれるか!嫁の可愛さは誰にも負けん!


「じゃあまんじゅうサービスしといてやるよ!」


なんとミニ饅頭を普通の数よりも多めに入れてくれた!なんと良心的な店だ!


「ありがと!」


「お幸せにな! 」


そしてまんじゅうをひとつぱくついていると


「もう…お世辞なのになんであそこまであげるのかなぁ?」


「だってホントのことじゃん?可愛くてべっぴんさんなんて普通でしょ?」


何を当たり前のことを…というような顔をしている…私はあまり言葉にして褒めたりしない…というか恥ずかしくて出来ない…だからあまり好きとかカッコイイとかそういうのがいえなくて時々南雲さんが羨ましく思える。


「私も南雲さんに大してなんでも素直に言えたらいいのになぁ…」


「ん?なんかいった?」


「なんでもない。」


ーー

それから色んなところを回ってお土産も買ってそろそろいい時間だったので新幹線に乗った。


「間に合ってよかったねー!」


「えぇ。」


ふぅ…とため息を着くと私の顔を見て質問してきた。


「今日は楽しかった?」


「今日も楽しかったわ。」


そっか…と言ってんー!と伸びをしていた。だいぶ疲れたのだろう…荷物も全部もってくれたし…なんであなたはそんなに優しいの?


「大好きよ南雲さん…」


頬を赤くしながらそう言って南雲さんを見るとすぅすぅと寝てしまっていた…


「ふふっ…私も少し寝ようかしら…」


そう言って少しの間眠りについた…


「あっぶね〜。」


もし起きてたら確実に襲ってた…でも新幹線の中だし!帰るまで耐えられるかなぁ…

そしてずっとムンムンとした気持ちで過ごしながら寝られなかった南雲なのであった。

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