第3話 幸せ…
あのあと、海で食べられなかったかき氷を食べて少しショッピングをした後目的地のホテルへとやってきた。中へ入るとフロントにいた女性が笑顔で対応してくれた。
「お待ちしておりました…こちらが部屋の鍵になります301号室になります。」
「分かりました、じゃあ行こっか。」
「は、はい…。」
部屋に入ると海が見える綺麗な景色が広がっていた…天気も良く月がとても綺麗だ。部屋も広いしベットもふたつあってどちらも大きい。のびのびと寝られそうだ。そしてなにより…
「綺麗だよ…」
「そうですね…綺麗な満月です。」
「…月じゃなくて佳奈美の事だったんだけど…」
「え?」
顔を赤くして振り向くと南雲さんも顔を真っ赤にしていた…なんか気まずい空気が広がっていて…すると電話がなってお互いにびっくりした
『お食事の準備が整いましたのでご連絡させて頂きました!』
「あ、はーい…行こっか。」
「はい…」
ーー
「うわぁ!おいしそう!」
「なんか夜ご飯にバイキングって変だね。」
「食べすぎちゃいそうだなぁ…最近お肉ついてきちゃったし…」
自分のお腹をつまみながら佳奈美は言った。ん〜と俺はかなみのお腹を優しくつまんだ
「ひゃっ!南雲さん!?」
「俺は柔らかい方が好きだけどなぁ。」
「もう!急に触らないでよっ!」
「ごめんごめんって!」
その後結局何回も席を立ったり座ったりしながら色んな料理を食べた、こんな時こそ無礼講だ。なかなかホテルのご飯なんか食べられないし…そして再び部屋に戻った。再び静かな空気が流れたので…
「「お風呂に入ろうかな!え!?」」
まさか同じ考えをしていたとは思わずお互いに驚いてしまった。しかし言ったことをなかったことには出来なかったので…
「じゃあ、入りに行こっか。」
「え!?う、うん…」
今日は積極的だなぁ…と内心超ドキドキしながらお風呂場へと向かおうとすると佳奈美さんは外を出た。
「大浴場の方かァ…」
「何か言った?」
「ううん…。」
まぁ、このホテルの温泉めちゃくちゃ広いもんなぁ…。
ーー
部屋に戻り一息ついてからテレビをつけると
クイズ番組があったのでそれを見ることになった。
「これ、絶対にAよね?」
「いや、これはBだな。」
よくある選択問題を解いているとCMが入って少しもめあいになった。
「絶対Aだって!」
「絶対にBだよ!」
「いいわ!じゃあもしBだったら何でも言う事聞いてあげる!」
「のった!じゃあAだったら何でも言う事きくよ!」
我ながら子供みたいなことしてるなぁと思いつつCMが終わり、2人が凝視しながら答えを待っていると…
『正解は…Bです!』
「よっし!!」
「えぇぇ!!」
そしてクイズ番組もエンディングになり、ちょうどいい時間になっていた。
「そろそろ寝ましょうか!」
「佳奈美忘れてない?」
「…やっぱり覚えてたかぁ。」
「もしかしてそのまま寝て忘れようとしてたの!?」
そりゃ酷いよ!ってまぁ、口約束だったし別にそんな真面目に守る必要も無いんだけど…
「じゃあなんのお願いよ?お金ならあげないわよ?」
「別に現金じゃないよ?」
「じゃあ何?」
そう言うと南雲さんは黙ってしまった…
「どうかした?」
「一緒に入りたい…」
「へ?」
「一緒にお風呂に入りたい…です。」
頬を真っ赤にしながら手を握ってきた…。え!?一緒にお風呂!?若いときならいいって言ったけど…今は…色々まずいというか…
「ええと…」
「だ、ダメだよね!ごめん!旅行で嬉しくなってハイになってたのかも!もう寝るね!!」
そう言って布団を敷こうとした南雲さんの手を手を止めた。
「か、佳奈美?」
「い、いいわよ…」
「ホントに?無理してない?」
「もう!入りたくないの!?」
「は、入りたいです!」
ーー
そして個室の風呂に入ることになった。決して狭いという訳では無いが2人で入るとさすがに少し狭い…とりあえず体を軽く洗ってから湯船に浸かった…するとノックする音が聞こえて佳奈美が入ってきた。
「おぉ…」
「もう…なにがおぉ、よ…こんなぷにぷにの身体みてガッカリしたでしょ?」
「そんなことない!むしろ…めちゃくちゃ綺麗だ…」
ホテルのバスタオルは身体を覆えるほど大きくないので前だけ隠す形になってしまう、しかし彼女の大きな双丘はそんなタオルでは隠しきれないほどのものだった。いくつになっても年齢を感じさせないスタイル、そして1つ年上とは思えないほどの綺麗な顔立ち…初めて2人でした時よりさらに色気が増してきている…昼にナンパされていたのを見た時は怒りと同時に嬉しさもあった…それだけ彼らには佳奈美が綺麗で若々しく見えていたということなのだから…
「そんなお世辞言っても何も出ないわよ?」
本人は全く気づいていないのが難点だ…もっと自分に自信を持ってもらいたい…そしてもっと気をつけて欲しい…その美貌で今日何人もの人を釘付けにしたと思ってるんだ…途中で慌てて薄手のパーカーを着せてあげたのだ。
「ほ、ホントだって!その証拠に…」
「もう!そんなもの見せないで!」
「み、見せてないよ!むしろ見たんじゃないか!」
「もう!私も入るからそっち寄って!」
そして俺に前を見せまいと背中を向けて湯船に浸かった…いや、逆に綺麗な背中とかおしりとか、色っぽいうなじとか丸見えなんだけど…
「き、気持ちいいわね…」
「う…うん…」
やばい…その一言だけで興奮してのぼせそうだ…佳奈美も耳まで真っ赤だ…
「やっぱり恥ずかしい?」
「の、のぼせてるのよ…。」
微妙に強がりを見せる佳奈美が可愛く思えた…
それと同時に意地悪したくなってしまう…
「へぇ…じゃあこっち向いてよ」
「それはダメ。」
「だって恥ずかしくないんでしょ?それに何度も見てるじゃん?」
「あの時は若かったからよかったの!!今はダメ!」
そう言って手と足で体を隠してしまった…しかし彼女は気づいてないだろう足と手で押さえつけてるせいで大きな双丘が横からはみ出してしまっているということに…
「佳奈美は綺麗だよ…だから見せて?」
「可愛い…」
「え?」
「佳奈美は可愛いって言いなさい。」
なにそれ…可愛すぎないか?我ながら学生じゃないんだからと思っていたが彼女もまた俺にそう返してくれる。まるで高校生に戻ったみたいだ。
「佳奈美は世界で一番可愛いよ。」
「そこまで言えとはいってないでしょ!」
「でも正直な気持ちだし…」
「もう…はい…。」
そう言って彼女はゆっくりゆっくり俺の方へ向いてくれた。さっきまでタオルで邪魔されていたものが全て見える…それだけでもう…もう…
「南雲さん?南雲さん!南雲さん!!」
ーー
「あれ?俺…」
「南雲さん…目が覚めましたか?」
「あ…そっか…俺のぼせて…」
そういえば佳奈美が入ってきた時点で既に身体めちゃくちゃ暑かったもんなぁ…それでもあがるのがもったいなくて我慢してたから…
「もう…まぁ、久しぶりに一緒に入れて嬉しかったわ。」
「そか…」
「じゃあそろそろ寝ましょうか。」
「そうだな。あ、そういえば佳奈美が勝ったら何お願いしようとしてたの?」
「…さぁね。」
「えぇ!教えてよ!!」
「絶対嫌。」
そう言って電気を消した…すると自然と視界は暗くなり眠気が出てきた…そしてスっと眠りについてしまった
「…私も同じだった…なんて言ったらきっと今日寝られないと思ったから言わなかったけど」
正直言った方が良かったのだろうか?少し後悔しながら佳奈美は眠りについたのだった。
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