第3話

あれから、数時間がたち俺は自宅にいた。

「アイリス・シルヴァとても綺麗な人だったな」

アイリス・シルヴァ、一級貴族の出。噂では、新たな魔仙になる可能性を秘めていると言う。

今現在存在している魔仙は10人の内半分いるかいないか。魔仙の多くは魔族との戦いで死んでしまった。寿命で生涯を終えた者もいる。

ティロー家初代も魔仙だったと聞く。

「リヒト様、食事が出来ております。」

「今、行く」



「リヒトどうだった?入学式は?」

「魔仙のエルダー・ヴァンが学院の学校長になって居ました。」

「何?それは本当か?よかったなリヒト。魔仙を間近で見てどうだった?」

「威圧感がすごい。秘めている魔力を感じられなかった。レベルが違うとかじゃない、次元そのものが違う。」

「それでも、魔仙目指すんだろう?」

「うん」

「今日は早く寝なさい。明日から頑張れる様に。」

「わかってる、おやすみ」

「おやすみ」

「おやすみなさい」



4月9日入学2日目アッガス魔法学院には一年、二年、三年生の三つの生徒がいる。俺は入学したばかりだから当然一年生、一学年6クラスで、俺は4組になる。4の数字が書かれている札を探す。

「あった!ここが4組のクラス」

自然と身体に緊張が走る。生唾を飲み、覚悟を決め、思いっきり扉を開ける。

すでにクラスにいる生徒の視線が集まる。

俺は、空いている最後列の窓側の席に座る。

「これなんで、無能がいるんだ?」

「あいつと同じクラス?最悪だよ」

いろんな貴族の生徒が俺の悪い噂を言っている。聞こえてるんだよなぁ~平民の生徒はいまいちわかってない様だ。すると声を掛けられる

「おはよう、リヒト君」

声を掛けられた方を向くと、昨日助けてくれたアイリスがいた。

「おはよう、アイリス」

周りがざわついた。

「あいつ、アイリス様に馴れ馴れしく喋り掛けたるぞ」

「アイリス様になんて無礼な」

「無能のくせに」

ひどい言われようだなぁ。聞こえてないと思ってるのかな?貴族の生徒に悪い噂を言われているのはもう慣れた。平民の生徒はいまいち分かってないようだ。

「リヒト君、あまり気にしないでいいから」

「いやもう、慣れたよ」

突然、人が入ってきた。服装的にこのクラスの担任かな?


「皆、席に着いてくれ。まずは自己紹介を、私の名はクレサ。家名はない。平民だ宜しく。

いきなりで悪いが4人一組のパーティを作って欲しい。理由は後で説明する。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

星魔法使いの貴族 ふくろう @wata2004

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ