第2話

2451年4月8日、テナント王国唯一の魔法学院

アッガス魔法学院に入学した。

「え〜生徒の諸君、初めまして。この魔法学院の学校長のエルダー・ヴァンだ。宜しく」

瞬間、生徒達がざわついた。  

「え,エルダー・ヴァンってあの魔法使いの頂点、魔仙の1人!?」

「おいおい、冗談じゃねよな?」

「なんで、ここに?」

周囲から疑問の声が上がってくる

魔仙とは魔法使いの頂点で、世界に10人いると言われている

「え〜生徒の諸君お静かに。なんで私がここにいるか?という質問についてだが、国に頼まれたからというのが一番の理由である。現在魔族による侵略が始まっている。そこで、少しでも強い魔法使いを出すために私が来たということだ。納得してくれるかな?」 

侵略、現在世界では、魔族と人類の戦いが起こっている。魔族は数は少ないが一体一体が強い対して人類はその逆強い者もいれば弱い者もいる。なぜ、魔族が攻めてくるのか?それは魔界を広げるためだ。魔界、それは魔族が住む一日中闇の中にいるような場所。人類が住むところは人界と呼ばれている。

「それじゃ、今日は終わり。ここには様々な魔法使いがいる。存分に頼ってくれたまえ。」


入学式が終わって、帰路を辿っていると


「おい、無能。なんでこんなところにいる?」

翠色の髪で、茶色の瞳、身長は170後半だろうか?彼の名は、ラルド・ウィル。三級貴族の出だ。

「お前の様な無属性しか使えない奴がどうやって入学した?」

俺は魔法が使えない。正しくは無属性しか使えない。無属性は全ての魔法の元になった属性。故に無属性しか使えない俺は無能なのだ。

無属性魔法はできて当たり前。生物が当たり前の様に呼吸するのと同じぐらい当たり前なのだ

無属性魔法は身体の強化と魔力弾を飛ばすだけの魔法だから、無能と呼ばれている

黙っていると突然胸倉を掴まれ投げられる


「黙ってないでなんか言ったらどうだ?無能それとも俺が魔法というものを教えてやろうか?」

彼の右手に風魔法が紡がれていく。

すると、そこへ


「ちょっと、何してるの!?」

「これはこれは、一級貴族のアイリス・シルヴァ様ごきげんよう。」

アイリス・シルヴァ長い銀髪を腰辺りまで伸ばし,美しい碧の瞳、女性特有の膨らみもあって歩いているだけで絵になる人物だ。しかも、一級貴族


「で、ラルド。ここでなにをしてるの?」

「そこにいる無能に魔法を教えてあげようかと思いましてね」

「人を傷つける様な魔力を込めて?」

「ええ、そうです。身を持って教えてあげなければ」

「そ、なら今すぐここから立ち去りなさい。そうすれば、ここで起きたこと不問にしてあげる」

一瞬の静寂、彼は小さく舌打ちしながら帰っていった。


「あなた、大丈夫?怪我してない?」

「大丈夫です。助けて頂きありがとうございます。」

「あなた、名前は?」

「リヒト。リヒト・ティローと申します。アイリス様。」

「様づけはやめて」

「しかし」

「いいから」

なんだろうとてつもない圧を感じる目は笑っているのに声が笑っていない

「は、はい。わかりました。」

これが彼女との出会いだった

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