ひろわれるいのち

バブみ道日丿宮組

お題:捨てられた小雨 制限時間:15分

ひろわれるいのち

「……大丈夫だから」

 捨てられた子犬を見つけ、抱きしめる。身体は震えてて、弱ってた。

 小雨とはいえ、雨には違いない。何時間こうしてたのだろうか。

 場所も場所で、公園の草が生い茂った場所。

 どうかんがえても、誰かに拾って欲しいという感情が入ってない。

「……」

 少し感情が高ぶった。

 このこは連れて帰ろう。

 親になんて説明すればいいだろうか。

 すでに家には、主様のよう暮らしをしてる犬が2匹いる。

 その中にこのこを入れたら、暴れないだろうか。愛してくれるだろうか。

 わたしのママや、パパのような存在になってくれるだろうか。

「……大丈夫だから」

 鳴いた声が泣いてる。

 きっと心細かったに違いない。親から引き離されて、飼い主からも見捨てられ、ダンボールにしまいこまれた。

 わたしと同じだ。

 何も知らない場所に永遠に思える待ち時間を過ごしたーーあの時と。

 わたしは孤児。

 とある一軒家の前にダンボールに詰められて、捨てられてたという。

 その家の娘さんがママになった。

 今はパパの転勤で、都市部で暮らしてる。

 ママが飼いたかった犬をようやく飼うことができることになって、数年。

 何不自由ない生活をママとパパはくれた。

 飼い犬の二匹にもたくさん遊んでもらった。

 他人からもらってばかりのわたしだけど、

「……大丈夫だから」

 できることはあるはずだ。

 小学生のわたしよりも小さな命。

 決して捨てていいような命じゃない。


「ママ、ワンちゃんがねーー」

 その後、ママと話して、最終的にはパパも相談して、一緒に飼うことになった。

 家にいる間は、わたしが面倒をきちんと見るという約束。

 家にいた2匹は、新参ものの犬を同居犬と認めたのか、ぺろぺろとコンタクトをしてた。

 ママいわく、赤ん坊が欲しかったのかもしれないという。

 子育ての練習にもなるかもしれないねと、話した。

 3日も経過すれば、だいぶ犬は落ち着いた。

 餌をあげようとすれば、お腹を見せてくれるようになった。

 これからも一緒にいようね。

 そう思いながら、わたしは犬を撫でた。

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ひろわれるいのち バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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