第4話 大円団と悩ましいエピローグ(完結)
いささか禍々しい棒が対になっており、そんなものが取り付けられてるTバックのようなおパンツをサキュ子に手渡した。
カーミィの荷物の中にあったものだった。
それを見た、アクメが言った。
「あー、なるほどですぅ」
「サキュ子が〝攻め〟で、アクメが〝受け〟で合体だぞ。ゼッタイ!」
あのミダラ姫と同じ眷属のアクメ姫よ、消えるべし!
二人の合体は、なかなかよろしかった。
合体の末、誕生したのは…………。
……蝙蝠の羽根に蛇の尾を持つ――ちんまりとした…………ろ、ろ、ろろロリっ子!
――色気も素っ気もない、小学五、六年くらいのロリっ子が爆誕した…………。
ま、まさかの合体事故!?…………。
「……さ、作戦失敗だ。出直すぞ」
「タマ子はん! ゴブリンども、わらわらと、ぎょうさん集まってきてまっせ!」
「な、なんだと!? どゆことだ!? な、なんでー!?」
「アイツら、変態を極めてるさかい、ロリの方が好みやったんとちゃいますん?」
「そ、そゆことか……!」
俺とダンナは、ロリっ子フルパワーフェロモンにより誘い出されたゴブリンどもを一匹ずつプチプチしていった。
さっきより、俄然効率が高まった。
この魔窟のゴブリンどもを一掃出来そうだった。
ダンナとロリっ子と共に、ダンジョンの奥まで見て回ったが、もはやゴブリンの影はなかった。
確かに、一掃出来たようだ。
一匹残らず。
医者などの応援も呼び、囚われていた少女たちを解放した。
既に遅かった少女たちの方が多く、聖職者に弔って貰った。
あれだけのゴブリンを倒したというのに、Lvがせいぜい60から61になったくらいなもので、クエスト報酬も雀の涙だった。
拐われた少女たちの両親で、わざわざ感謝の言葉を言うために現れたのは一人だけだった。
……まあ、俺の悪夢は消え去ったのでよしとしようか。ひとつ心のつかえが取れた気がする。
俺は再び、快眠を取り戻せていた。
ようやく、女の魔物同士の合体方法も判ったことだし、近々、俺の女神になり得る存在をつくり出すことに本気だす!
――俺の目の前には、カーミィの姿があった。
「ふふん、タマジョー、おまえにしてはよくやったじゃないか。えらいえらい」
「いやあ、カーミィさま。それ程でも〜って、ええ!? カーミィさま、何で居るんすか!? 俺と合体した筈では?」
「ああ。合体されてしまったな。無理矢理……ここは、お前の夢の中だ――いや、あたしの夢でもあるか。合体し、ひとつになってるのだからな」
「えっ、ああ、夢……」
「修行を積んだ我が一族は、例え合体で〝受け〟になっても心は消滅することはない」
「えっ」
「夢の中で、女の魔物同士の合体方法を教えてやったのもあたしだ」
「そ、そうだったんすか!?」
「……にしてもだ。このあたしの
「わあわあわあ!? 俺のプライベートがあああ!!!」
「なら、合体を解除するんだな」
「ど、どうやって!?」
「そうしてくれたら、おまえを対等の仲間として扱ってやろう。ひとつ条件を飲んでもらうが――スキル〈従属〉は出来れば使いたくない」
「まあ、俺もオッパイがあるのはどうもな……でも、フツメンになってしまうか……」
「良い感じのオーガ探し出してやるから、それと合体しろ。それが条件だ。ミノタウロスより、もっとバッキバキの男らしいのをな」
「は、はいいい?」
「あたしも恋人になり得る存在を合体でつくり出そうとはしてたんだ。フフン、考えることは同じってわけだな。あたしはヘンタイではないがな」
そう言ってカーミィは、服を一枚一枚脱ぎ捨てて、俺に迫ってきた。
エロいといえばエロいのだが、そこはやはり夢の中のエロさであって、今ひとつディテールがフワっとしていた。
……朝、目を覚ますと。
――!
俺はまず、下着を洗った…………。
『フフ、哀愁を感じるな』
「のわ! えっ!? カーミィさまの声が!? なんでー???」
『起きてる状態のおまえと、こうしてやり取り出来るようになるまで、かなり慣れが必要だったぞ』
「ええ!? つまり、カーミィさまの心も一緒に同居してる状態!?」
『そういうことになるか』
「……俺は……でも、カーミィさまの心の中覗けない?」
『ああ、そこは流石に乙女だし、恥ずかしいからな。防壁を張っている』
「ず、ずるい!!」
『合体を解除したら、おまえはあたしのオススメのオーガと合体するんだ』
「は――!? い、いやっすよ! ゼッタイ!!」
『あたしのこと、ちゃーんと抱きたいのだろう?』
!!!
…………俺は、長く頭を……抱えることとなった。
〈完〉
転生したら女神とヨロシク背徳合体する 西 喜理英 @velvet357
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