最終話 告白の果てに……
心臓がバクバクしてくる。心なしか顔が熱い。それは肉美ちゃんも同じようだ。先程より、更に赤くなっているようだ。
「あ、ありがとう。おへは……。あへ? 何だかふかふかしゅる。おかおがゆがんで見えふよ?」
呂律が回らない。しかもうまく歩く事すら出来ないでいる。
「し、しまったのらああ」
こ、これはあれか。俺の酒にやられてる。しかも肉美ちゃんも。じゃなきゃこんなタイミングで告白してくる筈ない。もっと俺はロマンチックな状況で告白されたいんだっ。
「私は真剣なんだけど」
「はい」
先程まで真っ赤だったのが嘘のように人をそのまま殺しかねないような冷めた表情をしている肉美ちゃん。うん、酔いが醒めた。やっぱり肉美ちゃん怖い。
え、ていう事はマジ告白? あの金髪美白巨乳美少女が俺に告白してくれるの??
「で、こ、答えは?」
今更もじもじしたって駄目なんだからねっ。くそ、両手に肉は抱えてるけどやっぱ可愛い。まぁなんて返すかはもうわかるよね。
「はい、喜んで!!」
そこからは肉美ちゃんと無事付き合い、そのまま結婚。スキルを公にしてしまった俺は、開き直って、学校と鬼人族を後ろ盾にして酒の販売を開始。それが見事に大ヒット。むしろ薬物と勘違いされて何度か行政から監査が入った位だ。まぁ行政も俺の酒を一口飲んだらイチコロだったけどな。
ちなみに肉も販売したけど、あれだけ美味いにも関わらず、あまり売れず……。俺から出てきているのが納得いかないらしい。解せぬ。
まぁ肉美ちゃんが食べてくれるからいいんだけどねっ。
予定のハーレムは出来なかったけど、俺は幸せだ。肉美ちゃんに毎日肉を献上し、先生と鬼人族を中心に酒を卸す。あれ? 学生時代と変わってない? まぁそれはいいとして、俺は『酒池肉林』のおかげで成功したといえる。
ちなみに知ってた? 『酒池肉林』って酒や肉が豊富で豪奢な酒宴をするだけで女関係ないんだよ。当時の俺って最初から間違ってたんだよ。パッと頭に思い浮かんでいざ、調べたら女に囲まれてるのって誤用だって。企画倒れだよ、まったく。まぁむしろスキルから女性が出てくるって実際、得体がしれなくて怖いよね。ぼわー--んって裸の美少女が! ロマンだねぇ。へへへ、あ、いや、違うんだ。肉美ちゃん! 冗談だから、ね? 肉出すから、ね?
……これ以上余計な事は言うまい。俺の命の為に。それじゃ、アディオス!!
スキル『酒池肉林』を得たのでハーレムを作れると思って使ってみたら何か違った ポンポン帝国 @rontao816
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