夢か、悪夢か

丁寧な状況描写と論理的な心理描写に、あっという間に主人公が迷い込んだ図書館の世界に引き込まれました。
本好きにはまさに夢の様な本の世界の荘厳な様子、奇妙な手紙や不思議なボタン等どこか不気味な謎のギミック。徐々に狂っていく主人公の精神状態。深くに入り込む緻密な描写の末に、突然に俯瞰的な世界に落とされて、全ての真相を知った主人公と同じ心許ない気持ちが味わえました。ニヤリとさせられるブラックなオチがとても好みです。