1872~1873年、日本

日本は1873年からグレゴリオ暦を公式の暦とした。そのまえは、中国の伝統的な暦の変形である「天保暦」がつかわれていた。日本の公式の暦では、1872年に相当する年の12月3日以後の日付が存在しない。時間軸を現地標準にあわせるモードでその期間の日付を到達目標にすると、ゆくえ不明になる。


改暦が宣言されたのはグレゴリオ暦1872年12月9日である。その前日までならば、外国人居留地以外にいる日本人は、天保暦をつかっていると想定して同調対象にしてよい。しかしそれから年末までは新暦を先どりしている人がいる可能性があり、翌年は新暦をまだ正しく理解できていない人がいるので、日本人を同調対象にするのは危険である。また、東ヨーロッパの正教会ではユリウス暦がつかわれていた。居留地にいるロシア人は、本国の暦をつかっているかもしれないし、居留地の多数派にしたがっているかもしれない。この時期の同調対象には、確実にグレゴリオ暦をつかっている西ヨーロッパまたは北アメリカの出身者をえらぶべきである。しかも、月を数字であらわす方式の日付は中国の暦のものである可能性もあるから、西洋の月の名まえ (英語を例とすればDecember、January など) がつかわれている日付を指標にして時間軸を設定するべきである。

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