第54話:黄金の誘惑、恐怖のお宝ツアー!?⑥

ピラミッドにつく頃には夜になっていた。

「あ、あれじゃないですか。RP《ラクダパーキング》」


そこには何頭かのラクダがのんびり休憩していた。


「ここにラクダを停めると。俺らが帰るまでちゃんといろよ」

頭を撫でようとするとペッと顔面に唾を吐かれた。

「アルパカーッ!?」

「ね、ビターあそこ、ラクダPじゃないところにラクダが休んでる!」


メルトが遠くを指さす。

離れたところにラクダが三頭座っていた。


「あんだ違法ラクダか?」


近くにはラクダに乗ってきたらしき人物たちがいる。

数は……三人。


「あの人たち別の入口から入っています」

夜目が効くのかフィナンシェが細かく伝えてくれる。

「中肉中背の人と細っこい人がいて、その後を遅れて太っちょの人が追いかけてます」


「それ昼間の泥棒三人組じゃねーか!」


「ははーん。あいつらもピラミッド観光したかったのね。可愛いげあるじゃない」

「んなわけあるか」

「ここでも何か盗む気ですかね?」


「違法侵入じゃねーか! 止めるぞ! あの泥棒たちこてんぱんにしてやる!」


三人のいた方へ走っていくと、壁には人が一人入れるくらいの穴があった。


「ここから入りやがったなよし俺らも」


ビターたちは穴を潜り抜ける。


しばらく暗い道を進んでいくと視界が明るくなった。


入った先は埃臭い土のような、カビのような匂いがする空間がひろがっていた。壁を触るとザラザラしている。壁には妙な文字や人の絵が彫られている。

眩しい、と思ったのは松明で灯された炎が壁伝いに踊っているからだ。


「変な絵ー。メルの方が上手く描けるわよ」

「このチビなんてお前そっくりじゃね?」

「ビビビビター様ここピラミッドの中ですよ! これは不法侵入というやつでは……!?」

「ヤベッつい泥棒追うのに夢中で入っちまった!」


止めるはずが自分たちまでどさくさに紛れて不法侵入してしまった。


「俺たちバレたら捕まるってことあるかな」

「百歩譲ってバレないとしてもピラミッドの呪いがかかるとか」

「ピラミッドの呪いってなんだよ誰がかけるんだよ王とか?」

「どこかの国の言葉でこんな例えがあります」


フィナンシェがおどろおどろしく言う。松明の灯りで顔に影ができて怖い。


「ミイラ取りがミイラになる。ミイラを探しに行った男が逆にミイラに捕まってしまう。つまり、連れ戻しに行った者がそのまま帰ってこれなくなるという意味です」

「つまり泥棒三人組を捕まえに行った俺たちは……」

「ギャーやめて! なんかこの場所で言うと本当に出てきそう」

「バカなこと言ってないで行くぞ。チクショウ見失っちまった。それにミイラって魔物モンスターでなく遺体だろ。そんなもんいても返り討ちにしてやらぁ」


言いながら足もとで何かが引っ掛かった。

縄だ。


ビュンビュンビュンッッ!!


それが合図かビターたちを目指して矢が次々と飛んできた。

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スイーツ・トリップ~ちょっぴりオカシな珍道中~ 秋月流弥 @akidukiryuya

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