おかしな事書くけど、「石」が重要です!(変換ミスってないからね!)

奇をてらわずにマジ書きすると、作者様の力量に腰を抜かします。

全体を流れる軽快な文体に含まれるのは、圧倒的な引き出しの多さからくる「もう情報量の多重さがミルフィーユじゃん!」という感じです。

拾い切れない程のこまかいボケに、ニヤニヤがとまりません。

わかりづらい? いいえ、文体は非常に完成され読みやすく、構成も的確に行われ、適切な安心感を獲得しています。

その引き出しの多さが分かりやすい部分の一つは、戦闘シーンです。

通常、情景描写に陥りがちな所で、作者様は心理描写に振っております。

皆様に分かりやすく言えば、ハンターハンター富樫的な描き方です。剣を振った、ドン、やった、ではない深みが生まれております。

さらに、軽快なボケとツッコミの狭間に「言葉に微笑みをまとわせる」などの、その雅な表現力がさりげなく配置されていて、「もう、どれが本当のあなたなの?」と読み手を困惑させ喜ばせます。

さて、テクニカルな話はここまで。

肝心なお話ですが、タイトル通り「石」が重要です。

この「石」というアイデアがあるのとないのとでは、物語の印象がまるでかわってしまう程の存在感を放っております。

「石」はかなりのパワープレイでいい仕事しています、「もう誰かとめろよぉぉ!」というぐらい……ホント、マジで。

ネタバレを含むので詳しくは書きませんが、軽快な文体をまとった不穏な設定に「ヌハッ!」っとハートをえぐられてみるのはいかがでしょうか?



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