おかしな事書くけど、「石」が重要です!(変換ミスってないからね!)
- ★★★ Excellent!!!
奇をてらわずにマジ書きすると、作者様の力量に腰を抜かします。
全体を流れる軽快な文体に含まれるのは、圧倒的な引き出しの多さからくる「もう情報量の多重さがミルフィーユじゃん!」という感じです。
拾い切れない程のこまかいボケに、ニヤニヤがとまりません。
わかりづらい? いいえ、文体は非常に完成され読みやすく、構成も的確に行われ、適切な安心感を獲得しています。
その引き出しの多さが分かりやすい部分の一つは、戦闘シーンです。
通常、情景描写に陥りがちな所で、作者様は心理描写に振っております。
皆様に分かりやすく言えば、ハンターハンター富樫的な描き方です。剣を振った、ドン、やった、ではない深みが生まれております。
さらに、軽快なボケとツッコミの狭間に「言葉に微笑みをまとわせる」などの、その雅な表現力がさりげなく配置されていて、「もう、どれが本当のあなたなの?」と読み手を困惑させ喜ばせます。
さて、テクニカルな話はここまで。
肝心なお話ですが、タイトル通り「石」が重要です。
この「石」というアイデアがあるのとないのとでは、物語の印象がまるでかわってしまう程の存在感を放っております。
「石」はかなりのパワープレイでいい仕事しています、「もう誰かとめろよぉぉ!」というぐらい……ホント、マジで。
ネタバレを含むので詳しくは書きませんが、軽快な文体をまとった不穏な設定に「ヌハッ!」っとハートをえぐられてみるのはいかがでしょうか?