第8話 自己紹介
教室に戻った僕たちは、一学期始業式後あるあるの自己紹介タイムを行うこととなった。
こういうのは最初の人が肝心なのだが、1番の
そんなこんなで、僕の一つ前の高原美紗都の自己紹介が始まろうとしていた。
「名前は高原美紗都です。
彼女の話が終わり遂に僕の番が回ってきた。黒板前に設置されて教卓まで静かに歩き、呼吸を整えてから話す。
「こんにちは。僕の名前は葉山冬樹、
「趣味が水泳なら、水泳部に入るのかな?うちの学校は部員が少ないからね。興味がある人には入って欲しいんだよ」
僕の自己紹介の後にすかさず質問を重ねてきたのは副担任の内山先生だった。彼は期待に満ちた目で僕を見つめてくる。
「そうですね。少し考えてみます」
そんな彼に僕は曖昧な返事をして自席についた。そんなことより守郷の自己紹介を聞きたかったからだ。
俺が終わって10数回過ぎた頃、ようやく守郷の出番が回ってきた。彼は俺に目配せして、しっかり聞けよと念を押してきたように感じた。
「俺の名前は、守郷結城。
一瞬で空気が白けた。
高原さんは肩を揺らして声を抑えながら笑っている。
当の本人は特段気にしていない様子で『やり切った』と誇らしげな顔をしている。僕もその姿を見て思わず吹き出しそうになった。
平凡な恋が実る日まで 玉響翔 @TAMAYURA_SHOU
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。平凡な恋が実る日までの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます