第7話 始業式②
僕は守郷を慰めて終わってから彼と談笑していると、同じクラスメイトが教室に続々と集まってきた。最後には担任と副担任が来て、教卓の前に立った。僕はそれを見て、「また後で」と守郷に言って席についた。
「はい、皆さん。おはようございます。入試の時に会った人も何人か見かけますが、改めて初めまして。私は
「皆さん、よろしくお願いします」
「はい、では自己紹介も済んだことですし、まずは始業式に向かいましょう。それでは、廊下に出席番号順に列で並んでください」
ー玉響学園第一体育館内ー
体育館に足を踏み入れた時、僕は空気に一気に飲み込まれた。
正面から見た時は分からなかったが、中学校のバスケットコート2面分しかなかった体育館とは違い、ここの体育館はその8倍の広さはある。
そして、縦横全てに狂いもなく綺麗と体育座りをして並ぶ先輩たちの姿にも圧倒される。一つを除いては……。
〈若月先輩か……〉
2年生が座っている場所の先頭で手を振っている人のは朝会ったばかりの若月先輩だった。
そのせいで出席番号で並ぶ都合、ちょうど隣になった守郷に横腹を突かれる。そして彼は、香山に一喝されて止めた。僕の前では、肩を揺らしながら笑いを堪える美紗都の姿があった。
「えー、新入生の皆さん、お久しぶりです。校長の
僕たちが座ったと同時に始まった校長先生の話はどこ行っても同じみたいで、退屈じみた話しを永遠にするだけだった。
ようやく五十嵐の話が終わり、次に生徒会長が話し、最後に諸連絡をして僕たちの始業式はつつがなく終わった。
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