サリルの世界へ

マキ氏

第1話 「少女サリル」

「主人公サリル」は、12歳少女、兄弟はいない

親もいない、友人もいない、天涯孤独な境遇である


サリルは、生後すぐに

ヨッパ村の商店街の裏通りで捨てられており

弱り切っていて 凍死しかかっていた為

発見がわずかでも遅れていたら 死んでいた事だろう!


最悪な事に、ヨッパ村で名の知れた悪人に拾われて人生が一変する!


『夢みる少女サイカの壮絶な ★逆転成功ストーリー!』




「サリル!起きろ!!!

いつまで寝ているんだ!!!!」

サリルはガイアに首根っこ掴まれ、乱暴に叩き起こされた


「ごっ・・ごめんな・・さい!

ガイアさん!すぐに起きます!」


「何て!のろまな奴だ!

お前を拾い、育ててやった恩を

忘れた訳ではないだろうな!!

怠けるようだったら 今晩も外で野宿させるぞ!!」


サリルにとって

ガイアは冷酷無比な男であり

これまで何度も暴力を受け 死に掛けた事が 1度や2度ではない・・・

氷点下10度を下回る 夜中に出され、凍死しかけた事が 幾度もあった


しかしサリルにとって

殺したいほど憎むガイアであったが

日に1度の食事はありがたく

寒さをしのげる屋根のある小屋は

命を繋げる 天国のような環境に思えた


「今朝は 冷えるな・・

でもお日様が暖かいわ。。」

サリルは心穏やかに

空を見上げて 今の境遇に

下向きにはならず、『いつか良い事が起こるに違いない!』という

前向きな気持ちを、いつも持つことができていた


「サリルおはよう!」


「おはようございます!リクルさん!


「今日は忙しくなるぞ!

準備は良いか?」


「今日は何処へ行くのですか?」


「ライカ村だ!

行った事あるかい?」


「ライカ村ですって!?

とても治安の悪い村ですよね・・

以前一度行った時、

突然襲われて皮袋を被せられて

誘拐されそうになったのです!


でも運良くライカ村の村長さんが通りかかって

私を助けてくれたのです・・」


「そんな事があったのか・・

それなら、お前を連れては行けないか?

ライカ村の村長って・・確か・・」


「ええ・・

先月、殺されましたよね・・」


「ああ・・・あれは

本当に恐ろしい事件だった!

話を聞いた時、震えあがっちまったよ!」


「ええ・・本当に残酷な事件で・・

ライカ村長には、もう一度会って

きちんとお礼が言いたかったです!」


「そうだな・・

でも今は、確か村長の末の娘で

ニーナという24歳の子が

跡を継いで 頑張っているらしいぞ!!」


「今回の依頼は

そのニーナからなのだが・・

サリルお前も来るかい?

過去に辛い経験があるなら

辞めてもいいのだが・・」


「いいえ!

私を守ってくれた村長の娘ニーナさんの依頼なら

どんな事でも 頑張りたいです!」


「本当か?

無理しなくても良いが・・

やる気があるなら

お前を連れていってやろう!

親方には儂から伝えておくよ!」


「ありがとうございます!」



【次回:ニーナ村長の依頼】


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