掲示板9 悲報・勇者、追放をパワーアップの手段と勘違いする
前書き
世界観は繋がってませんけど、光堕ちした大魔王が勇者を称える物語を書いてたら、私の作品の元祖勇者を書きたくなって……。
これが勇者だ!
◆
名無しの兵士さん
悲報・勇者が禁書の追放物語を読んでしまう。
名無しの兵士さん
あっ……(察し)
名無しの兵士さん
ふ、ふーん……
名無しの兵士さん
あーあ……
名無しの兵士さん
どんな禁書なの?
名無しの兵士さん
興味ありますあります。
名無しの兵士さん
嘘つけ。勇者が古今東西名刀剣集以外を読んでるとこなんて見たことないぞ。
名無しの兵士さん
伝説の剣まで網羅していると言われる古今東西名刀剣集。実在していたのか!
名無しの兵士さん
あの落書きだらけの刀剣集のことか。
名無しの兵士さん
落書き? 勇者に絵心あるの?
名無しの兵士さん
あるある。×印を絵心というならね。
名無しの兵士さん
それって……。
名無しの兵士さん
勇者「これもダメ。これもダメ。×印っと」
名無しの兵士さん
もっと正確に書け。
名無しの兵士さん
勇者「これも折れた。これも折れた。×印っと」
名無しの兵士さん
wwwwww
名無しの兵士さん
(勇者に折られた)古今東西名刀剣集。
名無しの兵士さん
うけるwww
名無しの兵士さん
マジで×印だからだからな。あいつ、本に載ってる剣を半分以上はへし折ってる。
名無しの兵士さん
勇者に耐えられないのに名刀剣とか片腹痛いから、悪いのは本を作った奴。
名無しの兵士さん
人間が扱う分には名剣なんだろ。ただちょっと、勇者が使うことを想定してないだけで。
名無しの兵士さん
奴は未知の大陸からやって来た別の種族だから仕方ないね。だよね?
名無しの兵士さん
んだんだ。仕方ない仕方ない(適当)
名無しの兵士さん
一時期勇者に、いろんな奴がこれを使ってくれって名高い剣を送って来たから、それで大分スコアを稼いだよな。
名無しの兵士さん
せやな。本の半分が×印なのはそのおかげや。
名無しの兵士さん
そりゃあ、勇者が剣に困ってるって話を聞いたら、コレクションしてるのを使ってもらいたくなるよ。
名無しの兵士さん
絶対折れて帰って来るけどw
名無しの兵士さん
ちゃんと返却して偉い。
名無しの兵士さん
流石は勇者やで。
名無しの兵士さん
そこ褒めるとこ?
名無しの兵士さん
普段の借りパク考えたら十分凄いだろ。
名無しの兵士さん
た、確かに!
名無しの兵士さん
勇者アンチおつ。各種族の国宝が借りパクされて返ってこないのは、国宝が壊れないからだし。つまり、丈夫に作った各種族が悪い。
名無しの兵士さん
なるほどねえ。蒙が啓かれた気分だわ。
名無しの兵士さん
目からうろこ。
名無しの兵士さん
禁書に話を戻していい?
名無しの兵士さん
いいよ。
名無しの兵士さん
すっかり忘れてた。
名無しの兵士さん
そもそも追放物語ってなに?
名無しの兵士さん
説明しよう! 追放物語とは、屑な勇者がパーティーメンバーの主人公をなんやかんやで追放した結果落ちぶれてしまい、主人公に見返される物語である!
名無しの兵士さん
ははあ。幾ら俺達が勇者を馬鹿アホ間抜け呼ばわりしても、クズ勇者にして出版したら、士気に影響するから禁書指定されたのか。
名無しの兵士さん
なるほどね。
名無しの兵士さん
違います。
名無しの兵士さん
え? 違うの?
名無しの兵士さん
発端は、本屋に胃にやさしい料理の本を買いに行った軍僧が、妙な魔力を放っている本を見つけたことが始まりです。
名無しの兵士さん
前半は突っ込まないからな。
名無しの兵士さん
んだ。
名無しの兵士さん
まあ詳細は省くんだけど、その妙な魔力を放っていたのが追放物語で、調べたら魔王軍の魔術師が書いて、本屋にこっそり忍ばせてたことが分かったんだよ。その魔力の原因も、書いてあることを信じやすいようにする、思い込みの魔法とかなんとか。
名無しの兵士さん
つ、つまり、勇者を貶めようとする情報操作だったのか!
名無しの兵士さん
世界中の人間に、勇者がクズだと思い込ませて弱体化させようとするなんて、なんと巧妙で悪辣な罠なんだ!
名無しの兵士さん
勇者はパーティーメンバーにそんなことしない。
名無しの兵士さん
そうだね。そんなことしないね。精々軍僧の胃に穴開けようとしたり、エルフの婆を最前線で連れまわしたり、師範を道場から連れ出して死地に突撃するだけだよね。
名無しの兵士さん
そうだねそれが勇者だね(???)
名無しの兵士さん
この前の婚約破棄の件と言い、魔王も焦って絡め手を使ってきてるな。
名無しの兵士さん
使わざるを得ないと言うか。
名無しの兵士さん
魔王という理不尽な暴力の癖に、勇者というスーパー理不尽に打つ手無いのうける。
名無しの兵士さん
そんで、その勇者を貶める本を勇者が読んだの?
名無しの兵士さん
そう。信じ込みやすくなる魔法を解除したのを、まあチラっと見てみるか程度の流し読みだけど、幾つかのページをずっと見てるんだよね。
名無しの兵士さん
二度目のあっ……(察し)
名無しの兵士さん
二度目のふ、ふーん。
名無しの兵士さん
具体的には?
名無しの兵士さん
追放された奴が、その日に突然超パワーアップするところ。
名無しの兵士さん
やっぱりねw
名無しの兵士さん
だと思ったw
名無しの兵士さん
勇者はそれ以降、明らかに勇者臨時パーティーメンバーをチラ見する回数が増えた。
名無しの兵士さん
なに考えてるか子供でも分かるんだけど。
名無しの兵士さん
勇者(軍僧達を追放したらパワーアップするんじゃね?)
名無しの兵士さん
↑絶対これw
名無しの兵士さん
間違いないwwww
名無しの兵士さん
断言するんだけどよ。軍僧達を追放したも復讐とか絶対にしないから、パワーアップもない。
名無しの兵士さん
肩の荷が下りて弱体化するまである。
名無しの兵士さん
屈辱じゃなくて解放の喜びに震えるよ。
名無しの兵士さん
実は勇者がパーティーメンバーの主人公を追放したのは、強くなって帰ってくることに期待したから。そんで、見返すために強くなった主人公がマウント取ろうとしたら、勇者にようやくこれで本来の攻略ダンジョンにアタックできるって言われてしまう。実際連れ去られた先は、正真正銘地獄だったから、今度は自分から追放してくれって流れの物語。誰か書いて。
名無しの兵士さん
お前が書け。
名無しの兵士さん
連れて行かれたじゃなく、連れ去られたってのが理解度高い。
名無しの兵士さん
勇者「ちょっと強化のバフが弱すぎるなあ。君追放ね」
名無しの兵士さん
主人公「そ、そんな! 俺がいなくなったら、今の50階ダンジョンのモンスターを倒せないんですよ!」
名無しの兵士さん
後日。
名無しの兵士さん
主人公「はははは! 文字通りの百人力にするバフができるようになったぞ! 俺は今、新しいパーティーメンバーと共に、80階を攻略してますが勇者様はどこですかなあ!」
名無しの兵士さん
勇者「君が成長するまで50階にいた甲斐があったというものだ。さあ、最下層の1000階に行こう」
名無しの兵士さん
主人公「え?」
名無しの兵士さん
勇者「でも百人力かあ……俺は百万力なんだよなあ」
名無しの兵士さん
主人公「え? え?」
名無しの兵士さん
おら、出来たぞ。
名無しの兵士さん
80階が1000階だったり、百人力が百万だったり、間の桁がヤバスギルだろ。
名無しの兵士さん
でも勇者なんだぜ?
名無しの兵士さん
それもそうか。
名無しの兵士さん
勇者理論。もしくは勇者的計算式。
名無しの兵士さん
もっと分かりやすく。
名無しの兵士さん
どんぶり勘定。
名無しの兵士さん
あーね。
名無しの兵士さん
勇者「軍僧。報告連絡相談は完璧で、どのような窮地でも怯むことなく、常に最前線で戦い続け、神聖魔法とモーニングスターの技量が極まっている君を追放する」
名無しの兵士さん
なんでだよw
名無しの兵士さん
何処に追放しなきゃいけない要素があるんですかねえ。
名無しの兵士さん
勇者(これで休みが必要ないパーフェクト軍僧となるな)
名無しの兵士さん
軍僧唯一の欠点を克服させようとは、流石勇者と言わざるを得ない。
名無しの兵士さん
なにしようが休みは必要だよ馬鹿!
名無しの兵士さん
勇者は必要ないから……。
名無しの兵士さん
マジで本と軍僧の間で視線が行ったり来たりしてるから、そのうち言いそう。
名無しの兵士さん
勇者と付き合わないでよくなるから、その日が軍僧最良の日になるのは間違いない。
名無しの兵士さん
魔王軍が小細工しなくても、勇者は実際やりかねないって言うね。
名無しの兵士さん
流石勇者やで。敢えて魔王の策略に乗るなんて……。
名無しの兵士さん
せやな。
名無しの兵士さん
せやせや。
名無しの兵士さん
せやろか?
名無しの兵士さん
勇者! 勇者! 勇者!
名無しの兵士さん
勇者! 勇者! 勇者!
名無しの兵士さん
このスレは勇者と軍僧を称えるスレになりました。
【連載ネタ投稿】幻想戦争掲示板 ここにも1人おかしいのがいるけど 福朗 @fukuiti
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。【連載ネタ投稿】幻想戦争掲示板 ここにも1人おかしいのがいるけどの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます