ここ数年、ずっと降り続けていた雪は、徐々にその勢いを失っていて、来年は、雪の降らない冬が予想される。


だから、きっと、今年が最後の雪で、雪融けと共に、彼にかかっている魔法も解けてしまうに違いない。


彼の魔法が解ける時、私の魔法も終わりを告げて、後に残るのは、繋がりを失った、汚れた大人の私たちだけ。


―でも、それでいい。


私は、もう十分、良い夢を見させてもらったから。


―やっぱり、あなたには笑顔が一番似合ってるもの。


初めて会ったあの日、彼が私に見せてくれた笑顔。


きっと、二度と、私には向けられないであろうその笑顔が、私は何よりも好きだから。


―これで、最後よ。


魔法は、もう、溶けなくてはいけない。

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スノードロップ 木瓜 @moka5296

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