㉖
ネバーランドの住人達のように、大人を知らない哀れな子供のままで良い。
―でも…
そんな、ささやかな願いですら、私にはもう叶わない。
あの日、泣き崩れていた彼を抱きしめながら、私は、悪い魔女から一つの魔法を授かった。
それは、雪の降る冬夜の間、二人だけにかかる、美しくも残酷な、特別な魔法。
苦しいほどに純白な輝きが、何もかもを塗りつぶし、望む夢を見させてくれる。
雪融けと共に解けるその魔法は、対価として、私と彼との、唯一の繋がりを奪っていった。
けれど、冬が来る度、雪と共に訪れていたその魔法も、きっともう、解けてしまうのだろう。
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