蓮華の町の四人組

藤野 悠人

蓮華の町の四人組

 坂田洋平さかたようへいが、彼の祖父や伯父と共に田畑を耕していたのは、もう15年ほども前のことになる。日本海に面した小さな田舎町は、農業と漁業の町だった。


 遊ぶ場所はいくらでもあった。家のすぐ後ろの山は絶好の虫捕りスポットだったし、山の中は最高のアスレチック場だった。漁師町に住む山本和也やまもとかずやの父は無類の釣り好きで、洋平をはじめとする子ども達は、みな彼から釣りを教わった。漁師でもあった和也の父は、海釣りにもよく連れていってくれた。


 稲刈り後の田んぼは、元気を持て余した子ども達にとって、この上ない遊び場だった。鬼ごっこ、野球、サッカー、ドッジボール……広い場所を使う遊びは、思いつく限り遊び尽くしただろう。


 比較的穏やかな気候は、そのまま住民たちの性格にも反映された。どこの家の大人は優しいか、逆にどこの家のおじさんは恐いか、あそこの家のじいさんは飴やお菓子をくれるとか。子ども達の間では、常にそういった情報が共有されていた。大人達にもそれは分かっていて――彼らも子ども時代はそうだったからだ――それ故に、子ども達を見守るための役割分担が、暗黙のうちになされていた。


―――


「おい洋平、明日の畑仕事、手伝えや」


 洋平の祖父・いわおがそう言ったのは、夕食の席でのことだった。テレビではNHKのニュースが放送されている。食卓を囲んでいるのは洋平と巌の他、伯父夫婦と従姉弟の綾子あやこたけるだった。


「昼に和也たちと釣り行く約束しとるんだけど」

「二人でやりゃあ午前中には終わるわい。明日は草取って、土を掘って、水撒いたらええ」

「え、草取るの? 面倒だわ、それ」

「明日は政信まさのぶがおらんのんじゃ。仕方ないわい」


 洋平は伯父の政信を恨めしげに睨んだ。政信は肩をすくめるだけだ。


「朝から寄合があるんよ。悪いけど親父を手伝ってくれ」

「……分かったよう。じいちゃん、何時くらいに家出るの?」

「いつもぐらいじゃ」

「じゃあ俺、さっさと寝るわ」


 翌朝、7時頃に巌と洋平は家を出た。巌が荒く運転する軽トラに15分ほど揺られると、巌と伯父が管理する畑へと出た。忙しい時期は洋平も手伝うので、見慣れた光景だ。


 車から降りる。お尻が少しジンジンする。洋平は、祖父の運転する車が苦手だった。車から降りると、いつもお尻がジンジンするのだ。


「わしは堆肥の具合を見てくるけぇ、道具持ってきてくれや」


 巌はポケットから納屋の鍵を取り出し、洋平に手渡した。


「わかった。今日はここだけ?」

「ン」


 それを確認すると、洋平は納屋へと小走りで向かった。


―――


「で、思ったより手伝いが長引いて、慌てて来たら餌を忘れたと」

「いや、もうほんまに、ごめんて」


 くたびれた白いキャップを被った和也の言葉に、洋平はもう何度目か分からない、おざなりな謝罪を述べた。


 今日は川釣りだった。クマ除けのラジオを流しながら、家から持ってきた折り畳み式の小さなパイプ椅子に座って釣り糸を垂らす。今のところ、誰にも当たりはない。


「まぁ、いいじゃんか。俺ん家も昨日やったし。これからもっと忙しくなるけぇさ」


 健太けんたは駄菓子屋で買ったおかきをボリボリと食べながら言った。一応、国道が一本だけ通っているこの町にはコンビニが一軒だけあるが、子ども達は昔からある駄菓子屋を利用することが多い。


「来年さ、受験で絶対忙しくなるし、今年の夏休みはどっか行こうや。チャリで遠出するとか」

「それ、面白いな」


 雅史まさしの提案に洋平は賛成した。小学生の時から自転車で町内を走り回り、冒険の楽しさを知っている彼らの心は、好奇心でいっぱいなのだ。


 雅史の竿に何か来ているようだった。雅史は「おっ、おっ」と言いながらリールを巻いて糸を手繰り寄せるが、餌だけが持って行かれているのを見て小さく舌打ちした。


 5月のそよ風が木立を揺らす。森全体が内緒話をするようにさわめく。洋平たちは聴き慣れた音だ。遠く後ろの方で、何かがガサガサと動く。念のため確認するが、恐らく狸か狐だ。健太はおかきの袋を捨てることはせず、ポケットの中に突っ込んだ。対岸の草むらを、小さなバッタが飛んでいく。


「お、引いとる」


 和也はしばらく泳がせて様子をうかがう。竿を引いて感触を確かめると、にやっと笑って一気に釣り上げる。パシャッ、と音を立て、キラキラと光る川魚が釣りあがった。よっしゃー! ナイス! と歓声が上がった。


 洋平が帰宅すると、祖父と伯父が難しい顔をして話し込んでいた。


「あら洋ちゃん、おかえり」

「ただいま伯母さん。じいちゃんと伯父さん、なに話しとるの?」

「仕事のこと。人手不足で大変らしいわ。麦茶飲む?」

「うん、ちょうだい」


 洋平はほとんど聞いていなかったが、祖父と伯父の話は深刻なものだった。


 管理されなくなった畑が年々増え、その土地が荒れ放題になっているのだ。また、漁港の方も若い漁師がどんどん減っているという。町はここ何年も過疎と高齢化が進んでおり、10年もすれば危ういかもしれない……そういった話であった。


 宿題をしていなかったことを思い出した洋平は、ノートに書き込んでいた宿題を確認する。大嫌いな数学の宿題だった。とりあえず教科書を開くが、すぐに訳の分からない暗号を読んでいる気分になってきた。こうなれば得意な人を頼ろうと思い、綾子の部屋へと向かった。玄関に靴があったので帰っているはずだ。襖の前に立つと、中に向かって呼びかけた。


「あや姉おるー? 入っていい?」


 いいよ、という返事がきた。襖を開けて中に入ると、綾子も勉強をしているところだった。綾子は中学3年生で、受験の年だ。


「宿題教えて。数学ほんまに分からん」

「また? 洋ちゃん、この前も教えたのに」


 綾子は苦笑しながら洋平を迎え入れた。綾子は学校でいつも上位3人に入るほど成績が良いのだ。洋平もテストの点は中の上程度を維持しているが、それはこの優秀な従姉に助けられている部分が大きかった。


 その年の夏休み。4人組は有り余る行動力そのままに、自転車で遠出に乗り出した。キャンプはさすがに止められたため日帰りで往復するだけだが、それでも帰りはすっかり暗くなっていた。


 明かりの乏しい道を、4人はゆっくりと自転車を押しながら帰っていた。すっかり疲れてしまって、ペダルを漕ぐ力が出なかったのだ。


 あたりは静かだった。4人の足音、タイヤが力なく回転する音、夏の虫の声、遠くの方で車が走っている音……それらが夜の静寂を一層際立たせた。


「お、天の川」


 健太の声に、他の3人も空を見上げた。光の少ない地上から見た夜空は、隙間なく星で覆い尽くされていた。都会では光の強い星しか見えないが、ここはアスファルトが敷かれただけの田舎道。星座や夏の大三角形などどうでもよくなるほど、空には銀色の光が瞬いていた。


 その中でも、特に星が密集した天の川は、本当に夜空を流れる川に見えた。


 誰も言葉を発しなかった。そして、みんな静かに自分の家へと帰った。


―――


 数年後、4人組はそれぞれ、全く別の道へと進んでいった。


 健太は高校卒業後、職業訓練学校へと行き、林業に携わるようになった。


 和也は高校卒業後、数少ない若手の漁師として海に出た。


 雅史はかねてより興味のあった生物の研究をするため、国立大学の理系学部に進学。


 そして洋平は、特にやりたいことはないが、まだ就職するより学生をしていたいという「イマドキの若者」らしい思いで東京の私大へと進学した。


 大学生活はそれなりに楽しかった。しかし、慣れない都会暮らしと、夜ですら明るい街の雰囲気に疲れることも多かった。もちろん、都会には色々なものがあるし、行こうと思えば交通機関を使ってどこへでも行ける。生来の好奇心旺盛さも相まって、洋平にとって東京の街は冒険に満ちていた。


 ただ、山を走り回って、釣りや虫捕りをして、自転車で何もない道を走っていた頃を懐かしく思うことも多かった。


 洋平は学校の成績は中の上だが、勉強そのものは嫌いではなかった。自分の知識欲を思う存分満たせる大学生活は、洋平のようなタイプの人間には非常に合っていた。大学生活の、勉学に関することで彼が最も楽しみにしているのは、どの講義を履修するか、あれこれと考えている時間だった。


 洋平が2年生のときだった。教養科目のひとつとして履修していた「自然の探求」という講義は、自然と触れ合い、山や海に育てられてきた彼にとって、非常に面白い抗議だった。


「ハナバチか……そういえば昔、軒先にスズメバチが巣を作って大騒ぎになったことがあったなぁ」

「一箇所で生態系のバランスが狂うと、歯車みたいに連鎖して他もどんどん崩れていく。で、原因の特定はかなり難しい、と」

「物質循環か……人工物はその中には入れないよなぁ」

「ニッチ、ねぇ……みんなで釣りした川にも、生き残りをかけた生物の世界があったんだろうなぁ」


 同時に受けていた別の講義では、地球環境について勉強した。


「四大公害病って、教科書でさらっとやった程度だったけど……これはひどいな」

「水俣病では多数の患者を出しただけでなく、地域のコミュニティそのものも破壊してしまった、と」

「っていうか漁師町で発生してたって、うちも他人事じゃないよな」


 そして、更に「自然の探求」の中で、人間活動も自然環境に対して必要とされることを聴いたときだった。不意に、洋平の脳裏に、祖父と伯父の会話が甦ってきた。


 記憶の中の祖父は、深いシワの刻まれた眉間を更に深くして、なんとも言い難い表情を浮かべていた。


「で、管理できなくなった畑はどうするって?」

「放置の方向だそうだ。草が伸び放題で、あれじゃそのうち山に呑まれてダメになるだろうな」


 伯父の政信も、眉間に深くシワを刻んでそう言った。さすがは親子と言うべきか、その表情をしたときの2人は本当によく似ていた。


「去年も隣の区の人が亡くなって、それから田んぼがそのままになってるところがあったな」

「若いのがおらんのはしんどいのう。いざというときに跡を引き継ぐモンがおらんから、畑が死んでしまうわい」

「別のところでは、奥さんだけが引き継いでやっているところもあるらしいが……」


 政信は額を指先で叩きながら言った。


「それでも高齢だし、機械があってもひとりじゃ限界がある」

「深刻なのは漁師もじゃろう」


 巌はお茶をすすった。


「山本の所も、なかなかしんどいそうじゃ。あそこは息子の和也が、漁師をやるつもりでいるらしいからまだええが」

「廃業にする人も出てきとるからなぁ」


 2人とも腕組みをして、考え込んでいるようだった。


「どうにか、若いモンに来てもらわんとな……」


 いま思えば、巌から将来のことをどうするのかと訊かれたのはのは、この話を2人がしていたすぐあとだった。


「洋平、おまえ将来なんの仕事するんじゃ」

「仕事?」

「あぁ、この町なら農業や漁業、山の仕事も考えれば林業なんかもあるじゃろうし、いつでも人が欲しいとは思うぞ」


 いま思えば、これは祖父なりになんとかしようと思い、行動した第一歩だったのだろう。しかし、当時の洋平は、そこまで考えが及ばなかった。


「全然、決めとらんなぁ。畑とかの手伝いはいまやっとるけど、将来やるかっちゅうとピンと来んし」


 そう言うと、巌は「そうか」と言っただけだった。


 そんなことを講義中に考えていた、その日の夕方だった。アパートに帰宅し、お茶を飲もうと冷蔵庫を開けると、パタン、と小さな音がした。


 部屋を見回すと、カラーボックスの上に置いてある写真立てが倒れたようだった。写真の面が伏せられた形になっている。なんとなく嫌な感じがして、すぐに立て直す。入っているのは坂田家の集合写真だ。叔父夫婦と、ふたりの従姉弟。祖父と洋平の6人。しかし、祖父の胸のあたりに不自然に小さな傷が入っていた。


 なんか縁起が悪いな、と思っていると、突然ポケットの中のスマートフォンが鳴り出した。洋平には、それがやけにうるさく、耳障りに聞こえた。液晶画面を見てみると、伯父だった。


「もしもし?」

『もしもし洋平、落ち着いて聞いてほしいんだが……親父が倒れた』


 伯父のその言葉に、洋平は凍りついた。頭から氷水をぶっかけられた気分だ。今日は比較的暖かいはずなのに、手足が急に冷えてきた気がする。写真を持つ手が震えていた。


『もう病院に運ばれたんだが……帰ってくるか?』

「帰りたい」


 即答した。迷うはずがなかった。


『わかった。すぐに口座にお金を入れるから、それを使って戻ってこい。またあとでな』


 電話を切ると、洋平は何かに急かされるように準備をした。ボストンバッグに乱雑に必要なものを詰め込んでアパートを出た。伯父が振り込んでくれた交通費を、コンビニのATMで引き出し、駅へと向かった。


 実家へと到着したのは、それから数時間後のことだ。巌は狭心症らしかった。


「じいちゃんが狭心症……」


 洋平は頭がクラクラするのを感じた。病室の中の巌は眠っているが、とても小さく見えた。祖父の顔はこんなに弱々しかっただろうか。


 とりあえず今晩は一度帰るということで、洋平も実家に帰ることにした。しかし、胸騒ぎが止まらなかった。ここに来る前の写真立てのこともある。なかなか寝付けず、また他の家族もそうらしかった。


 翌日、容体が急変し、巌はそのまま帰ってこなかった。


 祖父が死んだ。信じられなくて、洋平は大声で泣いた。声が大きくはないが、いつでも元気だった祖父が死んだ。こうもあっさり。とても信じられなかった。


 祖父の葬式を終えたあと、気を紛らわすために散歩をした。洋平はあてもなく町を歩き回った。昔よく行っていた山や川の近く、海沿い、国道沿いの道。


 昔に比べて、管理されていない畑が増えているように感じた。なぜだか昔に比べて、元気を失っているように感じる。洋平の語彙の中にない言葉だが、町は確かに確実に小さくなっていっていた。洋平が町にいたころよりも、更に人が減っているのだ。


 夜になり、伯父にその感じたことを話すと、伯父はゆっくりとうなずいた。


「実はな……一年ほど前だったかな、もう少し離れたところ、M村ってとこ、あっただろ? 小学校のとき、里山体験もした」


 覚えている。昔ながらの日本家屋の中で、半日だけの昔ながらの生活を体験するというものだ。


「あそこの村、若い人がほとんどいなかっただろ? 荒れ放題の畑が更に増えているらしくてな。俺も最近通ったんだが、昔よりも明らかに元気がなくなってしまっている。あれだけ畑や田んぼの脇に咲いていた花がほとんどなかったし。それに、やけに静かだった」


 洋平は伯父の言わんとすることをなんとなく理解した。M村は、このあたりで一番過疎の進んでいた村だ。今日、町で感じた静けさの、何倍もの静けさが、村を覆っているに違いない。


「それになんだかな……荒れた畑が増えると実際、周りの自然も少なくなったように感じるんだな。不思議なもんだが」


 洋平はハッとした。やけに小さくなっているように感じたのは、色が少なくなっていたからではないかと思い出したのだ。畑の近く、山のそば、荒れて草に侵蝕され、色が緑色と枯葉色だけになる様子……放置された里山の映像が一瞬、頭を過った。


 東京に戻り、またいつものように大学に通った。別の大学に通う雅史にも、久しぶりに会った。


「久しぶり洋平、変わらんね」

「お前もな」


 お互いにそう言うと、しばらくは大学でのことや小さな悩みなど、他愛のない話が続いた。しばらくして、ふと雅史が口を開いた。


「洋平は、卒業したらどうするの?」

「まだ……決めてない。雅史は?」

「いまのまま、生物の研究をしていきたい」


 雅史ははっきりとそう言った。


「この前、帰省したとき、人が少なくなって畑が荒れてたM村を見たんだ。なんだかとても静かだったな。俺たちの町もどんどん人が減ってるし……夏に帰ったんだけど、明らかに虫の鳴く声も小さくなっていた。たぶん、数が減ってるんだ。それを立て直すためにも、少しでも多く知識が欲しいしね」


 町を立て直す。そこまでだろうか、と思う反面、いつかその日がくるのだろうと、なんとなく洋平にも分かる気がした。


 今はまだ大丈夫かもしれない。まだ町は人が住んでいるし、まだ機能している畑も多い。しかし、少しずつそれが追いつかなくなっていくことも、なんとなく想像がついた。


 洋平は最終的に、地元で農業をする道を選んだ。このまま人がいなくなって、M村のようになっていくのを避けたかったからだ。M村はもうほとんど人が住んでいなくて、無人となるのは時間の問題だった。


 雅史によると、人がいなくなると畑だけでなく、様々な場所で管理する人がいなくなることで、住んでいる生き物が偏ったり、減ったりして、とても寂しい場所になってしまうらしい。


 町に帰り、和也にも会った。和也はもう漁師を初めて4年になるため、昔に比べてずいぶんといかつくなっていた。


 農業を始めて数年。有機栽培をしようとするも、その壁が恐ろしく高かった。洋平達の町でも、生物の減少やバランスの崩壊が始まっていたらしい。捕食者となる生物が少ないのか、作物が簡単に荒らされてしまうし、捕食者をよそから連れて来ようにも絶対数が少ない。農業を始めて、それを強く実感した。


 林業をする健太によれば、森や山でもそういった現象が起きているらしい。そのせいで、植物が増えなかったり、あるいは特定の植物だけが増えすぎてしまったりして、山の中のバランスが崩れてきているのを実感しているのだと。


 洋平達は町の古老や農協と話し合い、町の状態をできるだけ良くしていこうと話し合った。M村のようにするわけにはいかない。


 この頃には、M村にもう人は住んでいなかった。最後まで住んでいたお年寄りたちもみな老人ホームに入ってしまい、植物が完全に覇権を握っていた。


 数年後、雅史も町に帰ってきた。かつての仲良し4人組が、再び故郷ふるさとで結束した。


 その夜、洋平はずいぶんと久しぶりに星空を見た。初夏の空は、かつて見たあのときの空と似ていた。明日も大変なことがあるかもしれない。でも、子どものときのような元気な町を取り戻したいと、心の底から願った。


―――


 その後。その町は一度失われかけていた山や畑のバランスを、少しずつ取り戻し始めた。今や少なくなった畑や田んぼ脇の蓮華を見ることができ、いつしか「蓮華の町」として知られるようになっていった。


 それに伴い、失われかけていた人の活気も、少しずつ、本当に少しずつだが、また昔の様子を取り戻していったという。


「新しい時代の里山を作ろう」


 町はそのスローガンを掲げ、今日も4人組はどこかで奮闘している。

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