7/2 番外編 小説のタイトル三分クッキング?
書く側としては、小説のタイトルを考えるのって、なかなか難しいですよね。こ
れで良いってことはなかなかなくて。
やっぱり、タイトルを見て「良いなぁ」って、作品を目にする方は多い。カクヨムでは、キャッチコピーも大事ですよね。
ということで、今回のヨムカクブログは番外編。素敵な作品タイトルを漁ってみようのコーナーです。基本、フォロワーさんのご紹介になるのはご愛嬌。
その前に
【introduction】
タイトルとは、表題のことですよね、小説に置き換えると、その物語を一言で言うとってことになるかな。
見知らぬ読者に渡す、一番最初の名刺とも言えるのかもしれない。
welcome,my world!
そんなテンションで(^^ゞ
【ON ヨム】
●精霊王の末裔~ギフト【歌声魅了】と先祖の水竜から受け継いだ力で世界を自由に駆け巡る!魔力無しから最強へ至る冒険譚~
綾森れん@精霊王の末裔👑連載中 様
https://kakuyomu.jp/works/16817330649752024100
このタイトル。文芸にも通じる象徴のタイトルでありながらサブタイトルで、物語の概略を伝える、ログラインになっているんですよね。
●色のない虹は透明な空を彩る〜空から降ってきた少年は、まだ『好き』を知らない〜
矢口衣扉 様
https://kakuyomu.jp/works/16817139559097527845
物語の象徴であるキーワードをタイトルに。まさにこの物語そのものだって思います。
そして、物語の核となる、主人公とヒーローの関係性をサブタイトルに。相関関係でタイトルを作られていて、本当にすごい。
●恋人があこがれの人でしかも自分のファンだったなんてそんなことあるんですか!?
週刊歌らん作者 様
https://kakuyomu.jp/works/16816700426128303918
ラノベタッチで気軽に読めそう。そう思わせてくれますね。
でも、この中に作者様が書きたい主人公とヒロインの相互の関係がしっかりと表現されている気がします。テーマって大事なんだなぁって思う。
●ラステアファンタジー:剣と魔法とミステリな世界で王女と少年が出会い世界が変わる物語
UD 様
https://kakuyomu.jp/works/16816927863155216331
こちらもログライン的。タイトルからファンタジー叙事詩的でありながら、ミステリーと連想できるのが、本当に良いお仕事している。
●黒猫サファイアと三毛猫さくらの日常 ~ 猫魈?猫又! 日常は妖怪、吹き溜まり !! ~
るしあん 様
https://kakuyomu.jp/works/16817330656371904675
二匹の猫がメインと分かる。そしてサブタイトルで、日常系、妖怪系を書いていくんだなぁ、と。そういうジャンルが好きな人にはより突き刺さるタイトル。特定の層に向けてのキーワードも大事ですよね。
●ローカルニュース・雑記
作者 晁衡
https://kakuyomu.jp/works/16817330651902895550
エッセイです。シンプル。でも、長文化したタイトルに比べるとインパクトある。
例えばエッセイといえば創作系になっている昨今のなかで、これは目を引く気がします。何よりローカルニュースに焦点を当てているところが、テーマの取り方として上手いと思うのです。
●あなたの冒険者資格は失効しました〜最強パーティが最下級から成り上がるお話
此寺 美津己 様
https://kakuyomu.jp/works/16817139555848090141
これは今流行りで、タイトルがログラインで表現されている気がします。パーティーものですが、チートであり、成り上がり系であるのは想像できる。でもこのタイトルの先入観で物語にダイブすると……まぁ読んでください。タイトルの先入観から裏切られるのも、アリよりのアリです(え?
●声しゅきっ💕 〜あの声を思い出せ!〜 目指せ声優アワード主演賞! 廃業寸前の落ちぶれ声優と謎の訳あり美少女の成り上がり下剋上⁉︎
桜蘭舞 様
https://kakuyomu.jp/works/16817330659024791473
これも本当に素敵なログラインだと思います。「声しゅき」という言葉から、声優・声をテーマにしているのが分かる。むしろ愛です。
声優業界への復帰、下剋上を目指すという、ストーリーラインもね。本当に分かりやすい。その通りにストーリーが進んでいくので、読者もストレスフリーという相乗効果。
●タ・タタンタ・ターンカ!
呂兎来 弥欷助(呂彪 弥欷助)様
https://kakuyomu.jp/works/16817330659448110840
あえて、こちらを紹介させていただきます。今回の俳句・短歌コンにエントリーされてますが、もうこのタイトルだけで、短歌の海を堪能できる、そんな気がするのです。もっと読まれて良い作品だと思います。
タイトルに語感も大事だなって思います。
●君と育てる魔法少女〈白銀の章〉~深淵に囚われし少女たち~
神霊刃シン様
https://kakuyomu.jp/works/16817330649641504536
この方、本当にタイトルの付け方が上手いんですよねぇ。小学生がヒロインで、カードゲームが主の構成なのですが、前面に出ているのは魔法少女。どことなくデストピアを感じさせるタイトル。もちろん作品もどこか影がある感覚あるのですが、読んで少女達の明るさ(純真さ)が、ね。良い意味でまたタイトルというか、作品世界を色付けている気がします。
●世界の危機は忘却の彼方
御剣ひかる 様
https://kakuyomu.jp/works/16817330659506496351
始まったばかりの新連載。ラブコメ未満。異世界の住人との邂逅……。ある意味作者様の
ちょっと真面目で固さのあるタイトル。これ意図的というか、ワザとだと思うんですよね。この作者様、バランス感覚が本当に秀逸というか。そこらへんも期待しながら読みたい一作。
●ハッピーガール
米太郎 様
https://kakuyomu.jp/works/16817330656538749038
全て独立、書き下ろしの短編集。テーマは、全て主人公が女の子。その子達の「大好き」「ハッピー」をつめこんでいるんです。
「ハッピーガール」以外のタイトルが考えられないくらいに、マッチしています。
●妖精の豆本屋
大田康湖 様
https://kakuyomu.jp/works/16817330653875737110
まるで絵本を彷彿させるタイトル。世界観とあいまって。「豆本」が良い味を出している。余談ですが、児童向けはシンプルなタイトルが多い気がします。子どもたちに覚えてもらえるタイトル。これも大事だなって思う。
●恋に恋する乙女たち ~恋する小学生とじゅうななさいの聖女~
音無 雪 様
https://kakuyomu.jp/works/16817330656300670006
こちらはエッセイなのですが、女の子たちの恋を応援。日常にはこんなにラブコメが溢れてると思わせる一作。
そのなかでメインテーマと、ラブコメを演出させる要因の「聖女様」が一つ軸になっていて。終始、作者様の羞恥心も想像しながら読める。
(羞恥心の理由は作品を読んでいただけたら)
真面目なメインタイトル。少しふんわりしたサブタイトルのバランスが良いですよね。
●コバルトとヨウ素
柴チョコ雅 様
https://kakuyomu.jp/works/16816700427764758482
もっと読まれて良い作品だと思います。文芸よりのタイトルなんですよね。でも尾岡的には、この理系よりのタイトルがすげぇってなっていて。このタイトルとリンクする形で、ラブコメが進んでいくの。尾岡には絶対つけられないタイトルです。
●君がいるから呼吸ができる
https://kakuyomu.jp/works/16816452219719674555
尾岡作品(笑) いやぁ良いタイトル←自画自賛w いやウソです。石を投げないで!
個人的にはテーマをタイトルにまんま盛り込むことが多いかな。ラノベと文芸の中間ぐらいをあえて意識してます。
(ようは、どっちつかず)
【プロヨム】
ここからはプロ作品を見てみましょう。
「ドラえもん」
おいっ、って言われそう(笑)
いや、キーパーソンキャラや象徴、兵器をタイトルにもってくること、パターンとして多いんですよね。昭和的なのかもしれないけれど。代表作は仮面ライダー、ガンダム、ちびまる子ちゃん、サザエさん、ウルトラマン、パトレイバー、エヴァンゲリオンとあげたら切りがない。もしかしたら一周回って、逆に新しく感じるかもです。
「お隣の天使様にいつのまにかダメ人間にされていた件」
みんな好きでしょ?
ラノベ的タイトルなんだけれど。インパクトがあるんですよね。お隣系はこれまでも多々あったと思うけれど、ちょっとインパクトなタイトルが「ダメ人間」なのかな、と。
このダメ人間が、原作を読んだ方は分かると思うのですが、ヒモになるというワケじゃなくて……。ここらへんの匙加減が絶妙なんだと思います。
「クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった」
カクヨム発のラノベ。2番目というところのコンプレックス。それでもカースト上位なそんな子と友達に。これは本当に最高の神タイトルだって思うんですよね。
「ソードアートオンライン」
言わずもがな。VRMOのはしり。ゲームそのものがタイトルで。これは、今の所これ系をタイトルにするとSAOを意識していと感じてしまうのは、僕だけでしょうか?
それだけ、唯一無二を作ってしまった感があります。この手でいくとSF小説で「ニュー・ロマンサー」とかありますけどね。
「とある魔術の
ラノベの金字塔というべきか。ある意味じゃ前世代かも。タイトルにルビをつけるのが流行りましたよね。アニメやコミックス等のメディアミックスを意識して、言葉を凝縮して表現するのも一つと思いました。
「ゆるきゃん△」
けいおん、然りなんですが。ほんわか日常系で、ひらがな表記のタイトルも最近、よく見ます。
ゆるきゃんのタイトルがすごいのは「△」
テントですよね?
タイトルがデザインされているって思います。言葉じゃなくて、デザイン。これ一つキーワードって気がします。
「暴れん坊将軍」
これ時代劇なんですけど、知ってます? タイトルはふざけているのかって感じですけど、8代将軍徳川吉宗がお忍びで江戸の町を闊歩。そして悪を討つというテンプレストーリー。最後の殺陣は、まさに暴れん坊。爽快なんだよねぇ。貧乏旗本の三男坊という設定からの「余の顔を見忘れたか」のくだり。ごめん、何を言っているか分からないですよね。松平健が格好よかったのよ(それこそ意味不明
「転生したらスライムだった件」
みんな大好き、転スラ。これ流行りのラノベタイトルの「件」がスゴいのではなくて、転生したらスライム……ココですよね。インパクトさです。以降、転生したら剣だったり、林檎だったり、トラックだったり、悪役だったり。物珍しさはなくなってくるワケですが^^;
スライムは唯一無二で、この作品と言える。
「そして誰もいなくなった」
アガサ・クリスティーの不朽の名作。翻訳物なので文章は硬いけど、読んでみて。ちなみにラブはない(笑)
でも、ミステリ、最高傑作の一つではないかなって僕は思っています。
タイトルの話でいくと、海外はやっぱりシンプルなタイトルが多くて。同じ作者だと「二人で探偵を」こちらも好きです。おしどり探偵……つまり夫婦探偵なワケなんですが。シンプルであり、すぐに入ってくる感じ。洗練されているんですよね。
「はてしない物語」
僕の中でバイブルなんですが。これは徹底的にデザインされた作品だと思っています。本のなかに飛び込んでいく、今でいうところのVRMO……いや、これは違いますね。人間のアイデンティティーにも迫る物語だと思うので。ライトノベルになれた方は文体が固いと思うかもしれない。でも、ぜひ読んでいただきたい一作です。
【まとめ】
いやぁ、どの作品も本当に素敵なタイトルでした。タイトルから【ヨム作品】を見てみるのも面白いですね。
一つ思うのは、タイトルはあくまで作品を現すワードの一つ。
やっぱりタイトル、本編全て含んで、作品だと思うわけで。
タイトルだけ優先して考えるのも違うと思うし。発表場所、読者層、トレンド。様々な様相が混じり合って、評価になる気がするんです。
ランキング入りしている作品が、全てとは僕は思わないんですけどね。
やっぱり、琴線に触れる作品が、その人にとっての良い作品だって思うわけ。
でもやっぱり、結果が欲しい。
承認されたい。
多くの人に読まれたい。
だから……この物語を示すのであれば、こんなタイトルを。
そう悩んじゃうのも、当たり前だって思います。
だから、タイトル一つとっても妥協できないんですよね。
そんな作者様の想いがつまったタイトルに触れて、出会う読者。
この邂逅こそが、何よりドラマチックだと思ってしまう、読者の一人なのでした。
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