全然ライトではない。しかしどんどん読んでしまう。重く濃密な怪奇物語

この作者様は、きっと作家さんなのではないのか。

そう思わす程に、文の構成がなっており、また、この作品の登場人物は十人程度いますが、その何人かに焦点が当てられて、一人称のまま物語は進みます。

安易な第三人称ではなく、第一人称にすることで、この作品の『恐さ』に読者がどっぷり浸かるようにしていて、怖いと思う同時に、改めて、この作品の良さに気づくと思いました。

この作品は、「怖い」と「美しい」両方を兼ねている、珍しい部類のホラー作品だなと思いました。

主人公たちの葛藤、背景。それら踏まえて訪れるキャラ同士のぶつかり合いは、読んでいて楽しいし、後半になってバラバラになった点と点は重なる瞬間は、爽快感抜群です。

本当に、素晴らしい小説でした。碇屋ペンネのご活躍を祈念いたします。