せ、切ないっ! 続きが気になる!

「六月二十五日 君のために①」まで読んでの感想でございます。一話ずつじっくり読んでいくつもりでしたが、続きが気になって昨夜一気に読んでしまいました。

 さて、仮初めの甦りは約一年の期限付き。しかも《共有していた記憶、存在していたと言う事実が一切消えてなくなる》。さらにTS(♂→♀)。つまり、外見はまったくの別人として復活しているわけです。死の事実は覆りません。条件付きモラトリアム。

 そうなると、主人公も利他的なコミット(誰かと誰かを仲良くさせたり、誰かの心の傷を癒すべく力を尽くしたり)が強くなるわけですけれど、そういった善意の働きかけは人びととの強い結びつきを育むと思われます。まわりからすればもうほとんど天使でしょう。おそらく主人公にとって一年後の別離は非常に苦しいものになるのだろうなと。涙ながらの「未練なし!」に至ったらば読者の私も泣いちゃうかも。私としては不幸すぎる主人公の姉に救いをもたらしてほしいところ(姉の今後がとにかく気になる)。

 書く側としての感想は……こういうお話を書きたいなあ、と。軽やかに読めて、でも内容は軽くなくて、登場人物各位の情動はわかりやすく、感情移入もしやすい。会話のテンポが良く、くすっとするところもあり。そして、結末が気になるストーリーライン。いいなあ。

 続き、楽しみにしております! 小並感失礼いたしました!