私家版 名言集

２月１４日 初學入徳門、無如大學。(『近思録』)

　初学入徳門、無如大学。其他莫如語・孟。　『近思録』三、致知

　初学（しょがく）徳（とく）に入（い）るの門（もん）は、『大學（だいがく）』に如（し）くは無（な）し。其（そ）の他（た）は語（ご）・孟（もう）に如（し）くは莫（な）し。

　初めて学問を学ぶものが徳（を身につけようとして）に入る門としては『大學』という本に勝るものはない。

　その他のものとしては『論語』・『孟子』に勝るものはない。

　學者先須讀『論』『孟』。窮得『論』『孟』、自有要約處、以此觀他經甚省力。『論』『孟』如丈尺衡量相似，以此去量度事物，自然見得長短輕重。　『近思録』三、致知

　學者（がくしゃ）先（ま）ず須（すべか）らく『論（ろん）』『孟（もう）』を讀（よ）むべし。『論（ろん）』『孟（もう）』を窮（きわ）め得（え）ば、自（おのずか）ら要約（ようやく）する處（ところ）有（あ）り、此（これ）を以（もっ）て他經（たけい）を觀（み）れば甚（はなは）だ力（ちから）を省（はぶ）く。『論（ろん）』『孟（もう）』は丈尺（じょうしゃく）衡量（こうりょう）の如（ごと）きに相（あ）い似（に）たり、此（こ）れを以（もっ）て去（ゆ）いて？事物（じぶつ）を量度（りょうたく）せば、自然（しぜん）に長短（ちょうたん）輕重（けいちょう）を見得（みう）る。

　學者（がくしゃ）は先（ま）ず須（すべか）らく『論語（ろんご）』『孟子（もうし）』を讀（よ）むべきである。

『論語（ろんご）』『孟子（もうし）』を窮（きわ）めることができれば、自（おのずか）ら要約（ようやく）する處（ところ）があり（何らかの悟るところがあるのだと思う）、此（これ）をもって（この二つの書物を極めてから）他經（たけい）（おそらくは五経のことを指す）を觀（み）れば甚（はなは）だ力（ちから）を省（はぶ）く。

『論語（ろんご）』『孟子（もうし）』は丈尺（じょうしゃく）衡量（こうりょう）のごときにものにそれぞれ似（に）ており、此（こ）れ（二書）をもって去（ゆ）いて？（ここの去、意味が取りずらい、仮に「ゆいて」としておく）事物（じぶつ）を量度（りょうたく）（重さを測ったり、長さを測ったりするように事物を判断すること）せば、自然（しぜん）に長短（ちょうたん）輕重（けいちょう）を見ることができるようになる（そのように学問にも筋道がつく）。