2月3日 三十五歳、四十五歳、…(キングスレイ・ウォード)

 三十五歳、四十五歳、五十五歳になって「私は機会に恵まれなかった」と言う人を私はたくさん知っている。その九〇パーセントは、なぜ人生が自分の前を素通りしていったか、なぜ、自分が何の業績も残さなかったか、いろいろな口実で自分を納得させている。残りの一〇パーセントは、若いころに人生が自分に挑んだ戦いに応じなかったことを正直に認める。私はこの人たちを気の毒に思う。彼らがその挑戦状を突きつけられたときには、多くの場合、勝つ条件がそろっていたと思われる。ただ、受けて立つ勇気がなかったのである。


『ビジネスマンの父より息子への三〇通の手紙』キングスレイ・ウォード 城山三郎訳 第1通 P .24 新潮社

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