1-8 『戦いおわり、そして。』

「アンナ、アンナ!」


 私は、アンナの吹き飛ばされていない方の手を握ると必死に声をかける。


「なんだよ⋯⋯もう、うるさいなぁ」


「⋯⋯⋯⋯っ!」


 ——パシッ。

 私は、アンナの頬を叩いていた。


「⋯⋯⋯⋯え?」


「どうして?ねぇどうしてそんな無茶をするの?

 心配したんだよ私、アンナが死んじゃうんじゃないかと思って」


「そんなそんな、大袈裟だっ——」


「大袈裟なんかじゃないよ!」


「⋯⋯⋯⋯っ」


 アンナは、すっと目を逸らした。


「だって腕が吹き飛んでるんだよ?

 後少しで体が真っ二つになるところだったんだよ?」


「⋯⋯⋯⋯」


「⋯⋯わかんないよ。たしかに私、アンナの体のことわかんないよ。

 でも、だったらアンナは不死身なわけ?

 全身が粉々になっても、破片を集めればすぐ復活するわけ?

 頭が粉々に吹き飛んで口が聞けなくなっても、アンナだって言えるわけ?」


「それは⋯⋯⋯⋯」


「じゃあ何?ここでアンナが死んだとして私は一人で生きていけってわけ?

 冗談じゃないよ!私はもう、ひとりなんだよ⋯⋯?」


「⋯⋯⋯⋯ごめん」


 アンナが目に涙を浮かべているのを見て、言い過ぎだったと気づく。


 そりゃそうだ。

 アンナだって、アンナなりの事情があって動いているんだ。


 アンナは善意で私を助けてくれたわけで。

 逆にアンナからすれば、私なんてお荷物でしかないわけで。


 なのに私は逆に、アンナを罪悪感で縛り付けて。

 自分のエゴで、アンナを振り回そうとして。


 そんなの、最低で最悪だ。


「私こそ、ごめん」


 救急バッグから包帯を出し、肩の辺りを固く縛り付ける。


 間接圧迫止血。

 動脈の上流部を抑えて、そこから先に血液を回らなくする方法だ。


 後から思えば、清潔なタオルか何かで傷口を直接押さえる直接圧迫止血の方がよかったんだろうけど、あまりの出血を見たせいで混乱していたためか当時は全く気が回らなかった。


 キツく締めつけた結果、痛い痛いとアンナが言うけど、無視した。

 失血死が怖かったから。


「⋯⋯おわ⋯⋯った?」


 死んだような顔で、アンナが聞いてくる。


「終わりですよ。まったく、こんなに血が出ても、よく喋ってられますね」


「それって、褒めてる?」


「いえ、呆れてます」


「⋯⋯そっか」


 アンナは、しょんぼりとした様子だった。


「それで、一応一つだけ聞いてもいいですか?

 なぜ、一人で下の階を調べようと提案したんですか?」


「⋯⋯やっぱ、無茶だった?」


「ええ。それはもう」


「⋯⋯そっか」


「それで、どうしてです?」


 アンナは少し考えてから、答えたくなさそうに首を振った。


「⋯⋯ごめん。今はまだ、気持ちの整理ができなくて」


 ふうっ、とアンナは小さく長く息を吐く。


「⋯⋯ずるいですよ。そんな顔されたら、聞けないじゃないですか」


「うん、ごめん」 


「⋯⋯少なくとも私に危害が加わるような理由では、ないんですよね?」


「うん。⋯⋯約束できる。それだけは絶っ対に約束する」


 ——絶対に、か。


 気持ちを落ち着けようと、ふーっと息をゆっくり吐き出す。


 聞き慣れた空調音のする部屋に漂う、ただの金属臭。


 一般に腕が吹き飛んだと聞いて想像するような、生々しい匂いとかは少しもしない。


 それはそうじゃないか。

 ついさっき、アンナが腕の縫い目をパックリと開けてみせたときにそんな匂いなかったし。


 でも、これが現実だ。


 腕がもげたのに比較的平気そうなアンナも、そこでゴロンと倒れている殺人兵器ロボットだって、誰がなんと言おうと現実にあるものでしかない。



 正直、今の今まで、まだここが映画のセットの中だって信じていた自分がいた。


 いや違う。ボロボロの食堂も、冷凍睡眠装置も。何なら霊安室を見たときだって。

 どこかで、きっと誰かが思いつきで作った悪い悪戯だと信じようとしていた。


 だけど、結局全てが現実だった。

 どんなに遠ざけようとしても、現実は現実でしかなかった。


 


 だからこそだと思う。

 アンナに目を見て『絶対』と言われたとき、私はそれに縋りたいと思った。


 もう一回深呼吸すると、気が張っていたのも落ち着いてくる。


 落ち着くと今度は、気が張ってたあまり敬語口調になってた自分が恥ずかしくなってきた。


「あー、わかった。わかったよ、信じる」


「うん。ありがと、レイレイ」


 アンナは、安心した様子で微笑んだ。


「じゃあ、村まで戻ろっか」


「いや、待って」


 アンナは、差し出した私の手をすまなそうに断った。


「探索を続けた方がいいと思う」


「⋯⋯正気?」


「うん」


「理由、聞かせてくれる?」


「うん。⋯⋯次に来るの、多分アタシたちじゃないから」


 そう言うと、アンナは右腕を器用に使って体を起こし、壁にもたれかかる。


 顔色は悪くなってない。

 どうやら、私ら人間と比べると、失血に対する耐性は強いと考えてもいいかもしれない。


「次に入ってくるのは、多分アタシの村の人。目的は、食料確保。

 レイレイも見たと思うけど、アタシたち、金属とか食べてるからさ。


 終わったあとは、多分この部屋も隣の部屋も、もっとメチャクチャになってると思う。

 だから、もし調べたいことがあったら、その前に調べといた方がいいと思う」


「⋯⋯なるほど」


 その話が本当なら、今のうちに調べといた方がいいかもしれない。


 せめて、これからの暮らしに必要なものがないか確認するだけでも、アンナの村の人に気持ちよく調査を引き継げるってものだ。


 なら、帰る前に調べておくか。

 どうせあと一部屋だし。


「わかった。アンナは大丈夫?」


「うん、大丈夫」


「なら、ここで待ってて」


「うん、待ってる」


 出しっぱなしの救急バッグはそのままに、私は通路の端まで戻る。


 置きっぱにしてあったリュックを背負うと、もう一度アンナの元に近づいた。


「じゃあ、行ってくる」


「⋯⋯これ、使う?」


 アンナは、震える手で愛用の鉄パイプを差し出した。


「私が振れると思う?」


「うーん、やっぱ無理か」


 アンナは冗談めかして笑った。


 笑えるだけ元気なら多分大丈夫だろう。

 そうでなくても、できる限り部屋の中から声をかけて返事があるか確認するつもりだけど。


「じゃあ、行ってくる」


「いってら」


 そして私は、最後の部屋に入った。



 *



 最後の部屋は、綺麗なことを除きB3Fの制御室と同じ構造だった。

 制御パネルに、清潔感のある白い壁に並んだモニター。


 天井には、棒状の蛍光(?)灯。

 こちらも一本たりとも切れている電気はない。


 違いがあるとすれば、空調が効いているためか他と比べて空気が乾燥していること。

 それから、制御パネルが生きてそうな気がすること。


 さらに、半透明なカプセル状のロッカーが設置されていることか。


「どお、レイレイ。なんかあった?」


「ううん、今のところは。さっきの部屋とだいたい同じ感じ。

 でも、もうちょい調べてみたいかも。

 アンナは体調、大丈夫?」


「うん、今のとこは」


「わかった。苦しくなったら、すぐ言って」


「うん、ありがと」


 とりあえず、一番パンドラの箱感があるロッカーを一番最後にして。


 まずは操作パネルから。


 基本的にボタンの配列は、多分上の部屋と同じだ。


 さっきの部屋でやったのと同じように試しに監視カメラのスイッチをいじってみる。

 だけど、モニターには何も映らない。


「ねえ、レイレイ」


「ん?」


「レイレイってさ、本当に銃を撃つの初めて?」


「うーん、どうだろ」


 話しながら、今度は隣のスイッチを押してみる。

 今度はモニターの電源が点いた。


 そういえばさっきの部屋にも同じスイッチがあったりしたんだろうか。


 とするとこれが、オン/オフを切り替える主電源か。


 そう考えると、今さっきの部屋で私はモニターの電源を入れずに操作しようとしてたんかい。

 定年間近の小学校の先生かよ。


 あー、めっちゃ恥ずかしい。


「多分初めてだと思うんだけど」


「ふーん」


 再び監視カメラの切り替えスイッチを前から順に一つずつ押してみる。

 だけど、どれも砂嵐しか映らない。


「それが、どうして?」


「ん、いや別に。思ったより当ててたし、実は使ったことあんのかなーって思って」


「へーえ」


 そして、最後から二番目のスイッチを押したとき。

 画面が変わった。


「あ、点いた」


 映ったのは、この部屋だった。


 位置からして、入り口付近の天井からモニターのある壁の方を見下ろすように設置されてるっぽい。


 試しに手を挙げてみると、モニターの中の人もおずおずと手を挙げた。

 ちょっと面白いかも。


 何より、自分の後ろ姿を観察する機会なんて早々ないから新鮮で仕方ない。


「レイレイ、さっきからさ、返事テキトーになってない?」


「んー、そうかも」


 ちなみに最後の部屋のボタンも反応しなかった。


 うーん、でもやっぱり変だ。


 上の階でも確認したけど、今いるB4Fの監視カメラのスイッチは三つ。

 通路、制御室で二つ使ったとして、残り一個はどこだろう。


 もしかして、他にもう一室あって、そこがセーフルームなのだろうか。


 どーなんだろ、一応怪しい場所はあるけど。

 とりあえず後回し。


 ちなみにエレベーターの操作パネルもあった。

 上の階のものと同じように、つまみで『運転』と『休止』を切り替えられるものだったが、上のものと違い、他に『非常』という目盛りがある。


 ちなみに、今この部屋のスイッチは『休止』のまま弄ってない。


 つまるところ、この階と上の階のスイッチのうち、どっちか一方が『運転』になってればとりあえずエレベーターは動く仕様らしい。


 だけど万が一のこともあるので、とりあえずツマミを運転に切り替えておく。


 それにしても。やっぱ気になるな、この『非常』っての。


 試しに一回やってみっか。


 空き巣に忍び込んだ泥棒がごとくキョロキョロと見回してから、ツマミを『非常』へ切り替えようとする。


 ⋯⋯が、動かない。


 『運転』より先に動かそうとすると、硬い何かに引っかかってツマミが回らないようになっている。


 故障だろうか。

 それとも隣にある鍵穴を回したときだけ動くようになってるんだろうか。

 まあいいや、動かないならそれで。


「むー、レーイーレーイー!」


 アンナが、赤ん坊のように唐突に駄々をこね始める。

 様子からして、腕が痛いとかそういう類のではないっぽい。


 毎度のことだが、アンナら別の『人間』の頑丈タフさには驚かされる。


「どーしたんかい、アンナさんや」


「暇っ!」


「うーん、暇かー⋯⋯」


 そりゃまあ、そうだわな。

 あんだけ動き回ってる人が、さっきからずっと座らされているわけだから。


 でもよく考えてみれば、動いてないと死ぬってマグロかよ。


「諦めなさい」


「えー、やだやだー!」


 アンナの駄々を聞き流しながらも、目は操作パネルの上を走らせる。


「お、これは」


 ガラス板。操作パネルに埋め込まれた、ノートくらいのサイズのガラス板。


 それだけなら何も不思議ではない。

 その下に埋まっているのが問題だった。


「⋯⋯タブレットだ」


 ガラス板は、上にスライドできるようになっている。

 感覚的に、保護プレートといったとこか。


 試しに取り出してみると、充電ケーブルが繋がったままだった。


 形状はiP◯dにに似ていて、丸いホームボタンがある。


 iP◯oneユーザーの私も、これには思わずニッコリ。


「ねーぇ、なんか面白いもの見つかった?」


「まーね。後で見せるよ」


 電源は切られていたが、スイッチ長押しで起動した。

 どうやら電池はまだ死んでないみたい。


 起動時にクソデカ林檎マークが出なかったことから半分察してはいたが、中のソフトはApp◯e由来ではないっぽい。


 その証拠に、ホーム画面の配置とかが私の知っているものと大きく違っている。


 ちなみにアプリとして存在するのは、『地図』、『ブラウザ』、『AdminCTR』の三つ。


 もちろん、ゲームはない。加えて、wifiも電波も繋がっていないっぽい。


 あと、時計機能もダメみたいだ。

 時間と日付が-ハイフンになってしまっている。


 きっと、長いこと時間が取得できなかったんだろう。


「えー、見ーせーてーよー」


「だーめ。あとで」


「えー⋯⋯、いーじゃん別に」


 そーいえば、前の時代では子育てでスマホを使うのがどうかなんて議論もあったっけか。


 アンナにタブレットを渡したら大人しくなるか、とふと考えたが、見てて面白そうなアプリもなさそうだと考え直した。


 そもそも、勝手に弄られてぶっこわれたら、せっかくの情報源がおじゃんになるため却下。


 さーて、それじゃあ片っ端から調べてみるか。


 刺さってた充電ケーブルを外し、持ちやすいようにタブレットを制御パネルから外す。


 ではまず、情報の少なそうな『ブラウザ』から。

 当然、インターネットの繋がっていない時点で使い物にならなかった。


 さようなら、Goo○le先生。


 続いて、『地図』。


 開いたら、日本がデカデカと表示された。

 ピンチアウトすれば世界が表示される。


  それだけである。


 一応、地図アプリあるあるの『現在地』ボタンもある。

 だけど、『現在地』ボタンを押しても長いロードが挟まるだけで特に意味はなかった。


 つまり正真正銘ただの地図だ。


 だけど一応、ポジティブに考えればここが地球であることだけはわかった。


 でも、ここがどこだかは相変わらずわかんないけど。


 ⋯⋯最後。『AdminCTR』

 いかにもな名前だし、きっと重要な機能が詰まっているんだろう。


 そう思い開いてみると、この地下遺跡の全体地図が表示された。

 さらに、各部屋をタップすると、直近数日の電力やら水やらの使用量が表示される優れものである。


 貴重な資源は大切に使えってとこだろうか。


 さらには別タブで、あの蜘蛛型ロボットの遠隔制御もできるらしい。


 今さっき壊してなければ、もしかしたら運搬用に使えたかもしれないと思うと、少しもったいないことをした気がする。


 とりあえず、誤作動が怖いので例のロボットは即刻電源オフの刑にしたけど。


 ついでに、B4Fの謎の一室の件も解決した。

 地図を見る限り、通路の奥の方にもう一室あるっぽい。


 感覚的に、隠し部屋といったところかもしれない。


 ちなみに、その隠し部屋の直近二週間の電力&水使用量はゼロ。

 私の眠っていた部屋でだって電気の消費があるくらいだから、生存者はいないと考えていいと思う。


 一応、帰りにでも場所を確認してみよう。


 今のところ、この端末で調べられるのはこれだけだと思う。


 待たせているアンナの体調も考えて、早いとこ部屋の探索を終わらそう。


 そう思い、パネルの調査を打ち切るとロッカーまで移動する。


 そして、改めてロッカーを観察する。

 外見は、私の入っていたカプセルを縦向きにしたような感じの装置といった感じだが、中には確かにいくつか物が保管されている。


 顔の高さくらいにボタン式のパネルがある。

 『解錠』と『ロック』、それに減圧度を調整するためのいくつかのボタンがあった。


 試しに『解錠』ボタンを押す。

 すると、カチッとロックが外れる音がしたあと、プシューと空気が抜けるような音が数秒間続いたのちにフロントカバーが上へ大きく開いた。


 中に入っていたのは、レーザー式拳銃が一丁、付属カートリッジ二つ、充電器一つ、太陽光パネル一つ。


 要は全て、銃とその付属品だ。


 なんというか、『自分の身は自分で守れ』を体現したかのような組み合わせに思わず苦笑いしてしまう。


「ねーえ、まーだー?」


 アンナが呼んでいる。

 そろそろ戻ろう。


「今終わったとこ。ごめん遅くなって」


 リュックに戦利品をしまい部屋を出ようとして、ふとタブレットの充電器を回収し忘れていたことに気づく。


 操作パネルに戻り、さっきのカバーガラスの下に手を突っ込むと、充電器をプラグから抜く。


 もう一度部屋を見回し忘れ物を確かめてから、アンナに合流した。


「もー、遅いよー」


「ごめんごめん。あとで見つけた物見せてあげるから。

 それと最後にもう一部屋あるみたいだから、それだけ確認したら帰ろうか」


「んー⋯⋯。確認するだけなら」


 あれだけ探索に積極的だったアンナが、少し嫌そうに顔をしかめてみせる。


 よっぽど座ったままが嫌と見た。

 使われていない部屋みたいだし、さっと確認して帰ろう。


 さて、通路の奥の部屋、か。


 ざっと見た限り、ドアらしき物は見えない。


 だけど、通路の突き当たりまで行くと、奇妙なことに気づいた。


 突き当たりの壁だけが、色が少し違うっぽいのだ。


 近づいて確認してみると、どうやら小さな切れ目みたいなのが見える。


 試しに押してみても、動く気配は見えない。

 ドアノブみたいなのもないから、開けるのは無理そうだ。


「もしかしてレイレイ、言ってた部屋って、その奥?」


「うん、多分」


「入れそう?」


「いや、多分無理」


「⋯⋯そっか。

 あーあ、怪我してなかったら殴ってみたのに」


 アンナは、少し悔しそうだ。

 まーでも、壁の厚さから考えて殴っても何も変わらないと思うけど。


「んー、また今度にしよっか」


「そーだね。じゃあ、戻ろっか」


「うん、じゃあ、肩貸して?」


 返事を待たず、しゃがんでアンナの右肩を引き寄せる。

 アンナが肩に腕を回したあとで、呼吸を合わせてゆっくりと立ち上がった。


「⋯⋯ありがと。それと、ごめん」


 少し恥ずかしそうに、アンナは呟く。


「⋯⋯⋯⋯っ」


 ——こういうときの返事って、なんて答えればいいんだろう。


 『いいよ』なんだろうか、それとも『気にしないで』なんだろうか。


 どっちも偉そうな気がするし、かといって返事をしないのもそれはそれで気まずい気がする。


 そんな些細なことを悩んでいるうちにタイミングを失ってしまい、結局返事はできなかった。


 けどまぁ、考えてみれば、すっごく不思議な話だ。

 こうして隣に別の『人間』がいて、肩を取りながら一緒に帰る。


 やっぱり、変な話だ。


 目が覚めたら冷凍睡眠装置の中に閉じ込められていて、アンナに助けられて。


 そして、アンナが私とは違う種類の『人間』だとわかって。

 少なくとも私と同じ人間は、もういないかもしれなくて。


 本当に濃い一日だったと思う。

 頭がパンクしそうなレベルで。


 あー、村に戻ったら、まずはゆっくりと寝たい。


 でも帰ったら多分、質問攻めに会うんだろうな。

 そう考えておくと、言い訳の一つでも考えておいた方がいいのか。



 億劫なこともあるけど、でも今だけは二人で帰れたことが嬉しくて。

 まーいっか、と思えるくらいには、今は幸せに思えた。




-------------

いつも読んでくださりありがとうございます。


さて、2/17(木)更新ですがお疲れモードのため少々お休みとさせていただきます。

もう少しお待ちくださいませ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

目が覚めたら生命維持カプセルの中にいて、どうやら文明はとっくの昔に滅びたっぽい件について。 ゆーの @yu_no

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ