ベッドタイムストーリー

毎晩どんなことを考えて眠りにつきますか

ああ、今日も幸せだった、いい一日だったなあ

あんなことが辛かった

あの失敗がいけなかったなあ、迷惑かけたなあ、言葉足らずだったなあ


みんなそれぞれ

夢が人の数だけあるようにそれぞれ抱える思いが違うのです

例えば愉快な明日が想像できなくても

色んな失敗に足を取られそうになっても

目を瞑ればみんな明日へ向かって進んでいくのです


落ち込んだり、くよくよしたり

世の中ポジティブばかりじゃないって

もちろん知っていますよ

それでもいいじゃないですか


眠る前に暗がりの中、カーテンを捲って

窓辺から夜空を見上げて奇跡のUFOを探してください


――光が動いてる気がするよね

――いっぱいいるじゃん

――アレ、気のせい?


こっそり教えるわたしだけの秘密の儀式です


心が凪ぐまで見つめ、穏やかな気持ちになれたら

ベッドに潜り込んで、そっと「おやすみ」と自身に囁いてください


大丈夫、心配しなくても人生は進んでいくのです

どうか今日の日を晴れた心で終えてください

そうすれば少なくともあなたは一日の勝利者になれるでしょう

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

無花果の花のひとりごと 奥森 蛍 @whiterabbits

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ