第4話 日常


この世界に来てから半月が立った。

来てすぐに出した通信は返事が無いままだった。

起きて通信が来てないことにショックでへこみ、アリスのおいしいご飯で元気になり、食べすぎてトレーニングをして、そして昼寝をする。

そんな1日のサイクルが日常になってきた。


とはいえ私自身その間何もしてなかったわけではない。

ネメシスのレーダーやシステムなどを使って、この星系の宙域地図や惑星の地表地図、それに自転周期や公転周期など計算したりしていた。


この星系は恒星の周りにこの惑星が回っている、そしてこの惑星の周りを2つの衛星が回っていた。

簡単に言うと太陽の周りを地球(赤茶色い星だから火星と言った方がいいのか?)だけが回っていてお月様が2つある、ということである。


自転周期は銀河標準時間で24時間ほどで1周りする。

公転周期は大まかな計算で出したのだが銀河標準時間だと約3年で太陽を1週するくらいになる。

この星だと約1100日で1年という計算である。


そして惑星の地図だが大きな山はいくつかあり、逆に標高が低い所には大きな地割れが有ったり。もし海ができたら深い海溝ができそうである。

この星も2つの月にしても資源が埋まっていれば採掘もできるとか。


そして半月で大気の層が60㎞に達したとネメシスからの報告が有った。

ただほぼ二酸化炭素なので生身で外に出ると二酸化炭素中毒になり生きてはいけない。

これから酸素や他の気体の量を増やして動植物が生身で生活できるようにしていくらしい。

そして大気層で対流も生まれて風が吹き始めたらしい。


今日から水をネメシスからも惑星に散布していくとのことらしい、

私にはそういう詳しい事は分からないが、もう少ししたら朝焼けや夕焼けといったものが見えるとか。

とにかく順調らしい(ネメシスに丸投げなので適当)




そして今日は待ちに待った商人が食材を買いに来てくれる日である、朝からちょっとワクワク。

数日前にネメシスから商船団から通信が入ったと連絡を受け承諾したのである。

ワクワクしながら待っていると大きな貨物船が地表に降りてきてネメシスの近くに降下してきた、そして小型輸送艇の様な物で数人がネメシスに乗艦してきたので応接室として準備してた部屋に招く


「このたびはわざわざ通信いただきありがとうございます」

「こちらこそこんな辺境までありがとうございます」


軽くあいさつをかわし自己紹介をしていざ商談となった。

商人の名前はシャボールといいそこそこな商会の代表だそうだ


「食材をお売りになるという事ですが、食材はなんでしょう?」


ネメシスにリストを出してもらうとシャボールに見せる。

すると一瞬顔色を変えたがすぐに元の顔に戻る、だが私はその変化に気づかなかった。


「このリストにある物を今日はどのくらい出せますか?」


またネメシスに頼んで販売可能数量のリストを出してもらい見せる。

するとシャボールは悩んだ顔をしだした。


「この量ですと今の手持ちの現金では買取できそうにないですな。

 不足分は資材や機材とかでどうですか?」


またネメシスに確認しようかと顔を向けると今度はアリスが出てきて私の耳元で相手に聞こえない声で話してきた。


「ご主人様、差し出がましいようで申し訳ありませんが、これからは、わたくしが交渉してよろしいでしょうか。」


頷くとアリスは私の隣に座り、これからは私が、と告げるとシャボールの目つきが変わった。

その後は私は完全蚊帳の外という感じでシャボールとアリスで話し合う。

30分ほどでお互いに握手して交渉が終わった。

そしてシャボールから納品される品物のリストが渡される。


そこには相当数の資材や機材となぜか小型輸送艦1隻とまで書いてあった……あれ?アリスってすごい優秀?

後で知ったがこの船のロボットはみなネメシスとリンクしてるらしく簡単な情報伝達と共有が出来るそうだ。

ネメシスとアリスたちめっちゃ優秀。


そしてお互いの商品引き渡し後、金銭は腕時計型端末でお互い近づけたらチャリーンと音がして、確認お願いしますと言われ、ウィンドウで確認するとお金が0だったのに10万も入っていた。

ちなみにお金はサーズ銀河共通の電子マネーの様な物で腕時計型端末を用いて取引されるという

そして野菜のうちいくつかを次回もう少し多く作れないかと聞いてきた。

実は中央銀河では過去には有ったが今はどこも栽培してない種類らしいく高額で取引できるかもしれないという、そんな高額食材を売ったため小型輸送艦までつけてくれたのであろう。


次回は2か月後にまた来るとのこと。その時はまた資材や機材を持ってくるという。、

欲しい物があれば気軽にシャボール宛に通信を送ってほしいと言うと笑顔で帰っていった。


商船団が星系を離脱するのを確認すると、アリスとネメシスにお礼を言った。


「二人が居て助かったよ、俺一人じゃさっぱりだからな、ありがとう」


その言葉に二人はそれくらいなら任せてくださいと喜んでいるようだった。

こんな優秀ならもう一人くらいメイドか秘書として登録するのもありかな?などと考えてしまう。


機材と資材は小型輸送艦に積んだままでいいらしいので、しばらくは倉庫代わりに使うことにした。

そして機材の中に酸素発生装置が有りそれを設置したらテラフォーミングが少し早く終わる、と言ってきたがよくわかってない私はネメシスたちに任せることにした。


そして汎用サポートロボをもう一人呼び出す、こんどは男性タイプである。

執事として『セバス』と名付けた、そしてアリスは私の秘書に登録を変更した。

多目的汎用ロボというが見た目は人間そっくりで街の中を歩いていたら見分けがつかないだろう、という位である。

ただ全員同じ顔なのである、量産型ならそんなもんかな。

知ってる人がみればすぐわかるらしい、それで交渉を変わったときシャボールの目つきが変わったようだ。


「そういえば増やす野菜はもう指示いってるのかな?」

「シャボール様に言われた直後に5パーセントまで増産指示を出しておきました」


ネメシスに聞くとアリスが答えてきた。


「そっか、アリスは仕事早いな、ありがとな」


そう言うとネメシスとつながっているからすぐ指示出したりが楽なのです、と答えてきた。

離れているときでもアリスやセバス経由でネメシスと通信もできるらしい・・・アリス達超優秀じゃん!!


そんな話していると晩御飯の時間が近づいてきた、


「アリス今日のご飯は何?」

「シンセイ様申し訳ありません、今日からセバスが食事の担当になりました。」


それを聞いてショックを受ける、ありすのごはん・・・

だけどいざご飯の時間になったらセバスが作ったごはんはアリスと同じ味なので元気になりました。

よくよく考えると同じタイプのロボだし同じ味になるよな。


そしてトレーニング室で汗を流しシャワーを浴びてベットにごろんとして、そのまま眠ってしまった。





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