好みの作品です

冬を題材にした作品との事で読み進めましたが、春を待ちわびるような、あたたかな雰囲気に飲まれました。

冬独特の孤独、人との関わりでやんわりと和らいでいく。
その描写が綺麗です。

例えば、甘酸っぱいレモネードの味と雪を表現した描写ですが、これは「恋の味」とも捉えられます。
よく表現される言葉ですが、最初の出会いでそれを匂わせる、会話もスムーズなので深読みすれば深みが生まれる、とてもいいバランスです。

そして、花や木々の話題。
これが春へ向けた意識と冬の寂しさを強調させていきます。
名前に沿った話題というのも会話の清純さを際立たせて好みの作品です。