ほのかな出汁のきいた幸せなお話

この淡々とした、不思議な感じが、なんとも言えない味わいを出している。
母との思い出や、気遣いによって届けられた段ボールや、主人公の執着を脱したような手堅い生活からくる、幸福感のようなものが、甘い油揚げの入ったカップうどんそのもののような気がしてくる。
終盤の小説と現実が混在したような感じが好き。