6.離婚調停最終回。そして、思うこと
三回目の離婚調停の後、数日して、養育費算定表が開示されました。さっそく眺めてみると——変わってない。ほぼ安いまま。やっぱり日本の社会は女性に冷たい。やはり離婚しても、得はしないということ。
正月明け。一月上旬。離婚調停最終回。今回は待合室に弁護士つきの男性一人。どうやら、奥さんが申し立てているようですが、奥さんには男がいる模様。
「おれが生活費も払ってやっているっていうのに、調停の申し立てってどういうことだ」ってお怒りモード。そこにお笑い芸人みたいな弁護士が「焦っているんでしょうね。勘ぐられたくないから、先に申し立てしたんですよ。大丈夫です」って宥めています。
こういう話しを耳にすると、私の案件なんて可愛いものです。なんてことを思いながら、愛着が出てきた調停室に足を運びました。
さっそく、「養育費算定表、ご覧になりましたか?」と。見ましたよ。大して変わりありませんでしたよ。ということで、三回目の協議で決まったことを、ここで確定するということで同意。
最終回は、両者が同席して、合意した内容の確認をしなくてはいけません。嫌な顔をすると、「間に書記官が入るので大丈夫です」ですって。じゃあ大丈夫かと、思ったのも束の間。間って、本当に間ですよ。A氏が座り、書記官が座り、私が座る。三人並んで座り、向かい側に調停委員二人が対峙する構図。
ここで確認されたことを、今度は調書にしてくれるそうです。お互いに「間違いありません」って言わされて。それで終了。調書が届いたら、申立人は、そのまま離婚届けを役所に提出してよいとのこと。私は調書を持って、役所で戸籍等の手続きをすることになりました。
これが私が経験した調停ライフです。もう最中は「娘を取られたらどうしよう」という恐怖で、眠れぬ夜を過ごしましたが、終わってみると、「あ、こんなもんか」って。
離婚って怖かった。やはり、夫という存在がいなくなって、一人で子供たちを育てなくてはいけないという責任に、尻ごみしました。ですから、うまくいくはずもない夫に依存していたのだと思います。足元がぐらぐらとして、恐怖心しかありませんでした。なかなか踏ん切りもつかなかった。ところが、離婚が決まった途端、気持ちはすっかり晴れ晴れとしていて、自由になったのだという開放感に変わりました。
何度も書きましたが、調停は、良くも悪くも半分こ。自分だけが得するなんてことはあり得ないということです。話し合いが出来るなら協議離婚のほうがいいのかも。ただし協議離婚した場合は、公証役場に行って、強制執行つきの書類を作っておく必要があると思います。金、払わない人もいますから。保険ですよ。保険。
そうそう、もう一つ面白かったのが、家裁から送られてきた調書の封筒。1円、10円、20円切手が所せましと貼られていました。どういうこと? こんな封筒みたことない。家裁って不思議な場所です。面白いから、封筒。記念に保存中。
—離婚調停って面白い 了—
離婚調停って面白い 雪うさこ @yuki_usako
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