第3話ゲーム・オーバー前夜

ああ、すいません。つい、あの頃の口調になっちまいましたね。


今ここでその話をするのは、自分がまたこの世界をゲームオーバーになりそうだからです。

体力も0に近い。視界も霞んでる。

自分が最後に思い出すのは、あのゲームオーバーしていったかつての仲間たちとの最後の夜のことなんです。


ゲームオーバーする前の夜。

あの、ゲームオーバー前夜の食事。

これからゲームオーバーするなんて考えられないくらい、いつもと変わらなかったあの夜。


世界が変わっても、自分はあのときの仲間たちとの夜を思い出します。

いい人たちだったな。

あの頃より、自分は強くなれたかな。


いつだって、自分はあの人たちの背中を追ってきた気がします。




ああ、もうゲームオーバーだな。

寝袋、どこにやったっけ。

アイテムボックス、













『アイテムボックスより、転生の玉が取り出されました。

アナタ ハ 転生 シマスカ?』




アイテムボックスの中から、何かがこっちを覗いている。

何かが、こっちを、見ている。








ゲームオーバー前夜の、あの惨劇が脳裏に甦った。

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アイテムボックスの中に 犬屋小烏本部 @inuya

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